「インフルエンザ × コロナ」
新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるなか、アメリカでは今月下旬の感謝祭の時期を目前に、両方のワクチンを接種するよう呼びかけがおこなわれています。バイデン政権で、新型コロナウイルス対策調査官を務めるアシシュ・ジャー氏は、同時流行への危機感を示したうえで「インフルエンザと新型コロナ両方のワクチンを打ちに行ってほしい。皆さんがそうすれば、この冬、1日に何百人もの命が救われることになるだろう」と述べています。CDCは、より幅広い年齢層で追加接種を進めることで、この冬の感染拡大を防ぎたい考えです。
新型コロナ・インフルエンザ ワクチン接種 Q&A
Q. 今はどんな株が流行ってる?
CDCは10月12日「現在、新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、感染の主流になっているのは『BA.5』です」と発表しています。
Q. オミクロン株に対応するワクチンの追加接種はいつから始まっているの?
CDCは9月1日、モデルナとファイザーなどがそれぞれ開発した新型コロナウイルスのオミクロン株に対応するワクチンについて、追加接種としての使用を正式に推奨すると発表しました。これにより、アメリカでは、オミクロン株に対応したワクチンでの追加接種が始まりました。
Q. 接種できるワクチンはどんなワクチン?
オミクロン株の『BA.4』と『BA.5』に対応する成分と、従来のウイルスに対応する成分を含んだ「2価ワクチン」と呼ばれているワクチンです。
Q. 何歳からワクチン接種できるの?
9月1日、CDCは「2価ワクチンを正式に推奨する」と発表し、モデルナのワクチンは18歳以上、ファイザーのワクチンは12歳以上としていましたが、10月12日、CDCは感染の主流になっている『BA.5』に対応するワクチンについて、追加接種の対象年齢を5歳以上に引き下げると発表しました。ファイザーワクチンは5歳以上、モデルナワクチンは6歳以上が対象となります。最後の新型コロナワクチン接種から2ヶ月以上が経過していることを推奨しています。
Q. インフルエンザは流行ってる?
ニューヨーク州では、インフルエンザの感染者数が去年の同じ時期と比べて4倍に膨れ上がっています。これから寒くなるにつれて、感染者がさらに増加することが懸念されています。CDCのワレンスキー所長は「季節性インフルエンザは予測できません。毎年予防接種を受けて身を守ることが大事です」と話しています。
Q. インフルエンザのワクチンはいつから打てるの?
CDCは、生後6ヶ月以上の人は全員インフルエンザの予防接種を受けるように推奨しています。接種を受ける時期については、10月中が望ましいとしています。
Q. コロナワクチンとインフルエンザは同時に打つことができるの?
同時に接種することができます。同時接種とは文字通り、1回の受診で複数のワクチンを打つこと。同時接種をおこなっても、それぞれのワクチンの有効性が損なわれることがないとわかっています。昨年11月に『The Lancet』誌に、ファイザーの新型コロナワクチン(2回目)とインフルエンザの同時接種の安全性と有効性に関する研究が発表されました。局所または全身の副反応の発生率は、単独接種と比べて上昇せず、安全性に問題はありませんでした。今年1月、同じく『The Lancet』誌に発表された研究で、モデルナのコロナワクチン(3回目)とインフルワクチンの同時接種についても安全性と有効性が確認されました。もちろん同時接種にこだわる必要はありませんが、流行期の前にそれぞれのワクチンを接種して流行に備えましょう。
Q. コロナとインフルエンザの同時感染はあり得るの?
1人の人が新型コロナウイルスと季節性インフルエンザ2種類のウイルスに同時感染する「フルロナ」は実際にあります。英国の研究チームがまとめた論文では、2020年2月〜2021年12月、コロナの患者で他の病気の検査も受けた約7000人を調べたところ、3.2%がフルロナでした。フルロナの患者は、コロナだけに感染した患者に比べ、リスクは人工呼吸器の装着が4.14倍、死亡が2.35倍でした。(10/26/2022読売新聞)
(11/1/2022)