「様々な人にフラの魅力を伝えたい」(7/5/2018)

フラダンス講師

有本 満恵|Mitsue Arimoto

 ハワイ先住民族の伝統的で神聖な踊り、フラダンス。フラはハワイの言葉で「踊り」を意味し、もともと自然を崇拝して踊る宗教儀式だった。手の動きで花、雨、風、愛などの詩を表し、表情や全身の流れるような動作を組み合わせて感情を表現する。そしてハワイアンのウクレレの音色や緩やかなリズムに合わせて優雅に踊ることで自分自身にも癒しの効果をもたらす。無理のない緩やかな運動なので何歳からでも始められ、美容と健康にもいいと日本でも人気である。そんなフラをサンディエゴの日本人に教えているのが有本満恵さんだ。


 もともと日本にいた時に友人のフラダンスショーを応援に行き、フラに出会った有本さん。それからご主人の転勤で海外に行きフラが習える機会がなかなか見つからなかったが、日本に帰国後、2011年から本格的に学び、インストラクターの資格を取得した。「当時はフラが楽しくて無我夢中でクラスを掛け持ちして、毎日通って踊っていました」


 そんなに有本さんを夢中にしたフラの魅力とは何か。「まずフラの鮮やかな色の衣装や首飾り、花の髪飾りを身につけるだけでも気分は向上します。そしてフラの振りの意味を知り表現することで自然を崇め、家族に対する愛情を感じて浸ることができるのです」


 それから日本のザバスYMCAなどでレッスンを受け持ち、その後、夫の転勤でサンディエゴに移住し、個人でフラを教えて1年あまり。最初は知人の2、3人で始めたが、現在はフェイスブックを通して興味を持った人からの連絡が続き、生徒は16人となった。またサンディエゴバルボアパークのジャパニーズガーデンのイベントに参加したことがきっかけで発表の機会が増え、今は日系イベントや地元のフェスティバルなど月1回のペースで踊りを披露している。「最初は舞台に立つのをためらった生徒さんもいましたが、群舞をするとみんなの心が一つとなっていいものを表現できるのが気持ちいいという感想を聞きます。サンディエゴの生徒さんは外国生活を経験しているので、日本の生徒さんより積極的で、自分を表現する楽しさを体験したいという人が多いですね」。現在の生徒は20代から60代と幅広く、世代を超えて一つのことを成し遂げて、和気あいあいと話す時間も楽しみだという。

 日本ではフラは認知症に効果があると言われて老人ホームでのアクティビティとしても行われているそう。「私も地元の老人ホームを慰問してダンスを見てもらい、シニアの方にも踊りを教えたい。フラは車椅子の方でも手を使って手話のように踊りが表現できて楽しめます。みんなの心が一つとなってクラスがコミュニティの場として広まっていくといいですね」。

 

 

日本でフラダンスインストラクター資格を取得し、日本でレッスンを受け持った後、現在はサンディエゴでフラダンスを指導する有本満恵さん。https://m.facebook.com/sandiegohula/

練習時から衣装を身につけて踊り、気分を上げていく。

 

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