現在、デルタ株が猛威を奮っていますが、ペルーで最初に見つかった「ラムダ型」と呼ばれる変異ウイルスが南米を中心に徐々に拡大してきています。ペルー、チリ、エクアドル、アルゼンチンなど南米の多くの国で見つかっており、特にペルーでは新規感染者の9割以上がラムダ型によるものといわれています。この世界的な拡大を受けてWHOは、2021年6月14日にこの変異ウイルスを「ラムダ」と名付け、「注目すべき変異ウイルス」に指定しました。(8/22時点)
Q.ラムダ型って何?
2021年6月にWHOによって認定された 新型コロナウイルスの新しい変異ウイルス。
新型コロナ・変異ウイルスの検出状況(7/31時点) | ||
WHOの名称 | 最初に見つかった国 | 見つかっている国の数 |
アルファ | イギリス |
182ヶ国
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ベータ | 南アフリカ |
131ヶ国
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ガンマ | ブラジル |
81ヶ国
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デルタ | インド |
134ヶ国
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ラムダ | ペルー |
31ヶ国
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※WHOは、「懸念される変異ウイルス」のことを「VOC」と定めており、それにあたるのは現在、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタの4つです。一方、「VOCより警戒度は低いが注目すべき変異ウイルス」のことを「VOI」と定めており、WHOは、現状ラムダ型をそのカテゴリーとしています。
Q.最初に見つかったのはどこ?
ペルー
Q.最初に見つかったのはいつ?
2020年8月
Q、どこで拡大しているの?
南米で拡大しており、2021年7月現在、チリ国内で報告されている新型コロナウイルスの約3割、ペルーではその約9割を占めているといわれています。
Q、WHOはラムダ型をどう評価している?
WHO(世界保健相)はラムダ型を、「感染力が高く、抗体に対する抵抗力がある可能性がある」と指摘しています。
Q.ラムダ型の重症度は?
従来よりも重症度が高くなるのかについては不明です。現在、検出される新型コロナウイルスの9割以上がラムダ型変異ウイルスといわれるペルーでは、これまでに人口3300万人のうち、0.57%にあたる約19万人が新型コロナ感染症で亡くなっていますが、これがラムダ型変異ウイルスによるものかどうかは明らかになっていません。
Q.ラムダ型にワクチンの効果はあるの?
ベータ型、ガンマ型、デルタ型のそれぞれの変異ウイルスは、ワクチンの効果が低下することが分かってきています。ラムダ型に関しては未知数です。
Q.日本でも発見された?
ラムダ型感染が確認された女性は30代の五輪関係者で、ペルーに滞在歴があり、7月20日に羽田空港に到着しました。女性は無症状で検疫の療養施設に移送されました。
Q.アメリカ国内の感染状況は?
「ラムダ型」と呼ばれる新たな新型コロナウイルスの変異株がテキサス州を含む米国内で出現していることが8月12日までにわかりました。テキサス州の病院は、この変異株による初の症例を報告しています。ラムダ株の詳細は未知の部分が多く、米国内での出現はまだ稀な状態となっています。
米国内で猛威をふるうデルタ株ほど危惧すべき新型とはなっていませんが、初期段階の研究では従来の新型コロナウイルスより感染力が強い変異を呈しています(CNNニュース)。