【警察官YURIのつぶやき】ジョージ・ガスコンのリコール失敗

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犯罪多発のロサンゼルスで警察官として活躍するYURIが、警察官の日常・事件の裏側・ロサンゼルス犯罪のリアルな「現場」をReport。読者からのコメントや質問にどんどん答えるキャッチボール型コーナー。アメリカ生活を安全に、また、犯罪に巻き込まれないよう、現役警察官ならではのアドバイスも。

Vol.62

今現在のロサンゼルスの治安悪化の最大の理由の一つ。DA George Gascon（ジョージ・ガスコン）という存在をご存知ですか？DAとはDistrict Attorney の略で、日本語では地方検事と呼ばれます。

ガスコンがDAとして就任して以来、犯罪者は以前に増して力を付け、市民の不安は高まり、被害者は疎外感、無力感と日々闘っています。DAガスコンを追放するために市民が一つになってリコール活動を行ってきましたが、ロサンゼルス市がリコールを申請するに至りませんでした。

リコール失敗の原因は、そのプロセスの中で大量の署名がカウントされなかったことでした。ここに不正があったかどうかは皆様の判断にお任せします。私がどう思っているかなどはインスタグラムの方で話しています。(Instagram： @1114lajpn)

リコール活動の結果が分かった日の職場は同僚も、皆失望に満ちた表情で悲しい一日でした。中には“Help us, God”とお祈りする警察官や、失望と恐怖にかられて涙を流す警察官もいました。私たちは日々平和を守るために、たとえ怪我をしても殺害される仲間がいても、繰り返し凶悪犯と向き合い逮捕しています。ですが、ガスコンがその逮捕者を起訴しないという決断を下す度に全ての努力は水の泡になります。ガスコンは、未成年がどんな罪を犯しても彼らを大人として起訴することを認めません。たとえそれが、強姦・殺人などの凶悪なものであってもです。起訴を免れた犯罪者は同じ犯罪もしくはエスカレートした行動にでます。日々繰り返される銃犯罪、ギャングによる犯罪、死に至る可能性のある怪我を負わせた犯罪、不法侵入、窃盗、麻薬、強盗、警察官への暴行も起訴することを拒み、さらには過去の犯罪履歴なども無視します。(年齢無関係)