【警察官YURIのつぶやき】同僚の死

犯罪多発のロサンゼルスで警察官として活躍するYURIが、警察官の日常・事件の裏側・ロサンゼルス犯罪のリアルな「現場」をReport。読者からのコメントや質問にどんどん答えるキャッチボール型コーナー。アメリカ生活を安全に、また、犯罪に巻き込まれないよう、現役警察官ならではのアドバイスも。

Vol.102

同僚の死

このコラムを書いている今日がメモリアリデーという事で私の亡くなった同僚のお話を少しだけします。

私が警察官になってもうすぐ10年が経ちます。その間に数え切れないほどのお葬式に出席しました。その中でも心が引き裂かれる程に辛かったのはやはり同じ警察署で毎日共に過ごし、一緒に戦ってきた仲間の死です。

その中でも忘れられないのは、いつも同じシフトで私が無線を受け1人で現場に向かう時は必ず応援に来てくれていた先輩の死。彼が殺害されたのはあまりに突然で、もちろんお別れを言うことができたわけでもなく天国へ行ってしまった。いつも人を笑わせようとする彼は強く優しく、愛する奥様と娘さんのためにいつも家族旅行に行く計画を立てていました。
お葬式当日は天気が良くて風が全くない日でした。

警察官が数人ステージに上がり彼との思い出を語り始めると、みんなそれまで我慢していたかのように涙を流し始めました。

すると、、、ステージに飾ってあるお花が倒れ、直せばまた繰り返し倒れ。まるでコントのようだったので少し笑いが出たと思ったら今度はなんと、旗が倒れたのです。旗は風が強くても倒れないようにおもりがついている上、風は一切ありませんでした。その時、彼がみんなに泣かないでくれと言っている事気が付いたのです。ムードメーカーの彼にとって仲間が集まって涙を流すということに耐えられなかったのでしょうね。
いつもありがとう。
先輩からたくさんの事を学びました。これからも私達を天国から見守っててね。