Vol.26 ロサンゼルスの大麻リキッド、Vape事情 その1
Vapeペンと聞いてもピンとこない人も多いはず。日本では「大麻リキッド」などと呼ばれていますが、アメリカ全土ではマリファナの成分を凝縮したオイルを気化して吸うもの全般をVape(ベープ)ペンと呼びます。最近ではCBDのベープも人気です。
上写真:一般的なベープペン。
充電式の電源をバッテリーと呼び、マリファナ成分を凝縮したオイルが入ったものをカートリッジ、もしくはポッドと呼びます。ネジ式になっているのでカートリッジをクルクルとバッテリーに装着し、ready to vape!
Vapeが人気の理由はとても分かりやすいです。
●コンパクトで持ち運びしやすい
●気軽に買って吸える
●匂いが出づらい
●効果がすぐに現れやすい
と、マリファナのように「ほぐして、パイプにセットして、火をつけて吸う」などのプロセスがないのでマリファナ未経験者や初心者でも気軽に始めることができます。さらに、吸い終わったらそのペンごと捨てることができる使い捨てVapeペン($30~$50)は、ロサンゼルスを訪れる観光客や音楽フェスや友達と遊びに行く時など、イベントの時だけマリファナを使用したいという人に人気です。
吸ってから数分以内に効果を感じ始めるというファストアクティングも人気の理由で、そのぶん抜けるのも早いのですが、効果の現れるスピードはマリファナを燃やして吸うよりも早いので、初心者にはオーバードースしにくいのもベネフィットといえます。
オイルはどうやって凝縮されるの?
以前はエタノールやアルコール、プロパンガスを使用してオイルを凝縮していたブランドがほとんどでしたが、オイルから有害な物質を取り除き切ることができず、喉を痛めたり激しい咳をもたらす原因になっていました。また、質の悪いvapeを吸うと頭痛の原因にも。
近頃ではビューテンや二酸化炭素、熱、圧力などを使って凝縮オイルを抽出しながら、技術の進化により熱や圧力、遠心力などを使って有害な物質をほぼ一切残さないという方法がメインストリームになっています。
現在市場に出回っている商品はラブテストを通過しているはずなので、ブラックマーケットなどで違法にマリファナ製品を購入しない限り、有害物質が残っているような粗悪な商品はなかなか目にしません。(記事参照:Vol.25 摂取しているマリファナ製品は安全?)
上写真:大麻凝縮オイルを抽出するものすごい複雑なマシーン!
オイルカートリッジに入っている主なものは、マリファナ凝縮オイルと、アロマによりどういうハイになるかを左右する植物由来の精油テルペンのほかに、下記のものが含まれている可能性があります。
●MCTオイル(ココナッツ、パームの中和脂肪酸オイル。無害とされている)
●ベジタブルグリセリン(植物から摂取したオイル)
●ポリエチレングリコール(FDAも認めている成分ですが、喘息を引き起こすという研究結果もあり)
●プロピレングリコール(少量であれば生物への毒性はないとされている)
MCTオイルとベジタブルグリセリンは植物由来のもので健康に害は一切ないとされていますが、他の二つは喉が痛くなったり、ポリエチレングリコールに至っては喘息を引き起こす原因になるとの研究結果もあります。
日本でも違法のTHC vapeカートリッジが出回っているというニュースを聞きますが、安全性が確認されていない可能性が大なので、おすすめできません。日本で出回っているCBDペンに至っても、安全性を確認してからの購入をおすすめします。
次回は、ロサンゼルスのVape事情その2です。各ブランドハイの強さやピュアさを競っているわけですが、どんなオイルの種類、商品があるかをご紹介します。
■アドバイザー
Blue Dreamz
茨城県出身、2010年にファッションバイヤーになるのを夢見て、1年間の語学留学でロサンゼルスに渡米。その後メルローズ沿いの洋服屋に販売員/マネージャーとして勤務、独自のセンスを生かし、自身のセレクトシューズブランドADORE Los Angelesを立ち上げ順調に売り上げを伸ばすが、兄の死をきっかけに目的を見失う。人間活動に専念しようと生きていく中でカリフォルニアの医療用大麻というものを知り、日本との大麻に対する価値観の違いに衝撃を受け、自らリサーチを始める。
「日本人にとって大麻はドラッグのイメージがあります。小さい頃から大麻は人生をダメにするドラッグだと教えられる中、世界各国では医療用、そして嗜好用大麻が続々と解禁になっているのはギャップがありすぎるなと思いませんか?大麻にはメリットがあります。大麻によって精神的にも肉体的にも助けられた人をたくさん見ました。大麻先進国の事情をお届けし、少しでも偏見がなくなればと思います」
インスタグラム @bluedreamz