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まさに奇跡の車。ワンオーナー、走行距離6800km、世田谷二桁ナンバープレート。外装、内装、走りのコンデションも最高。運転席、助手席のシートだけはヘタリがあるので交換しようと考えている。VWビートル系は日本でも大人気なので古いパーツでも入手し易い。何と言っても嬉しいのは、前オーナーが私と同い年。しかも女性。1974年24歳の時にこの車を手にしたと聞く。大卒の初任給が7万円の時代、当時の経済環境を考えるとVWを販売していた正規代理店YANASEでのビートルカブリオレ車両価格は100万円位、だとすると現在の感覚では500万円位で販売されていたこの車を、24歳の女の子がマイカーとして所有するとはどれだけお嬢様なのか。
更に凄いのは、当時の記録簿が全て綺麗に残っていること。整備は毎回販売店のYANASEで行われている。分厚い整備メモを見ていると何故か涙が出てくる。どれだけ育ちのいい車なのか。おそらく前オーナーは高齢にともない免許を返上し売却することに。青春時代を過ごした車との別れの日「次に乗ってくれる方は大切にして欲しい」と。そのお言葉しっかりと受け止めました。
興奮が収まった翌日、私、チョット悩んでいます。冷静に車を見ると、長年車庫に保管されていたので、ボディーやホイルにへこみや錆が出ていて車全体が色褪せている。お金を掛けてレストアすれば新車のようになるが、そんな厚化粧をしてしまえば別の車になってしまう。それでは前オーナーと街で出会った時に、彼女が以前乗っていた車だと分からないじゃないか。失礼過ぎる。とは言っても錆は何とかしないと。その兼ね合いを思案中。恐らく今のイメージを壊さない手法で行く。実はこの期間が一番楽しい。
レストア完成後、最初にドライブに行く所はもう決まっている。車屋さんに紹介してもらった前オーナーが住むご自宅に挨拶に行きたい。「長年大切にしていたビートルカブリオレを譲っていただき感謝しています」と伝えたい。私は半年も乗ると他の車に興味を示すダメ男だが、今回は違う、一生モノになる事間違いなし。この車を邪険に扱ったら車の神様の罰が当たる。
横須賀に数十台の車を置ける秘密基地を完成させて保管する事も出来るが、沢山乗ってあげたい。50年間ずっと車庫に居た箱入り娘。恐らく海も山も、高層ビルがそびえ立つ都会の変貌ぶりにもびっくりするだろう。車と話しながらドライブを楽しみたい。タイムカプセルから飛び出してきたVWビートルカブリオレ。この車は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアン号なのだ。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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