LA市長がクロウリー消防署長を解任 パリセーズ火災の対応を問題視(2/21)

【ロサンゼルス21日】ロサンゼルスのカレン・バス市長は21日朝、ロサンゼルス消防署長のクリスティン・クロウリー氏を解任したと発表した。これに伴い、ロニー・ヴィラヌエバ前副署長を暫定消防署長に任命した。

 バス市長はクロウリー消防署長を解任した理由として、先月ロサンゼルスに深刻な被害を及ぼした一連の山火事で、火災発生後の事後報告を拒否したことを挙げた。クロウリー消防署長が拒否した理由は不明。市長はまた、1月7日のパリセーズ火災発生当日の朝、勤務を終えようとしていた約1000人の消防士を帰宅させ、勤務に残るよう命じなかったことを批判。クロウリー消防署長の指揮官としての責任を問題視した。

 パリセーズ火災が発生する約1カ月前、クロウリー消防署長は消防委員会に、予算削減が「中核業務を維持する署の能力に悪影響を及ぼしている 」というメモを送った。予算削減と消防署の消火能力は、火災が続く中での争点になっていた。 

 火災発生から数日後、消防署長解任の憶測が流れたが、バス市長は、市が火災とそれに続く暴風雨という緊急事態に見舞われている間は、クロウリー署長の解任を決定するつもりはないと明言した。

 バス市長は21日の会見で、消防部門の予算は削減されていないと強調。消防隊員の英雄的行為と勇敢な消火活動を賞賛した。

 一方、2022年の市長選でバス市長の対抗馬として出馬したロサンゼルスの実業家リック・カルーソ氏は、クロウリー消防署長を解雇したバス市長の決定を残念だと述べた。

 バス市長の発表は、市長自身が、火災が発生する数日前に出国し、ガーナに旅行したのは自分自身の過ちであったと公言した後になされた。火災が発生する前の週末、レッドフラッグの山火事警告が強まるなか、市長はバイデン大統領(当時)からガーナ大統領就任を祝う公式代表団への参加を要請され、ガーナに飛んだ。火災が拡大したため旅行を中止し、軍の輸送機でロサンゼルスに戻ったが、ロサンゼルス史上最悪の大惨事の管理をめぐり批判された。

 クロウリー氏は2022年、同市で初の女性消防署長に就任し、LGBTQ(性的少数者)であることも話題になった。市長室によると、クロウリー氏は公務員としての権利を行使し、階級を下げて署に残ることを決めた。新しい職務は暫定消防長が割り当てる。暫定消防署長に任命されたロニー・ヴィラヌエバ前副署長は41歳のLAFDのベテラン。7ヶ月前に緊急作戦の副署長から退職した。

 

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