コンビニで「寒天入りわらび餅」を購入した。冷蔵庫で冷やして早速食べてみると…すこぶる美味しい。きな粉と餅の相性が絶妙。大満足なのだ。昔懐かしい和菓子は一時絶滅状態だったが、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのお陰で完全復活したのでは。かりんとう、乾燥芋、草餅、水ようかん、ボンタン飴。更に、こんぺい糖に代表される昔駄菓子屋さんで売っていたきびだんご、当たり付きガム、麩菓子、ココアシガレット、甘酸っぱいイカなどの懐かしい商品も容易に手に入る。挙げ出したらきりがない。
ご飯ものだって、昔はおにぎりやお稲荷さんは家庭で作るもので、お店では売っていなかった。大好きな赤飯は段取りも大変だし、私の家でもお正月やお祝い事の時にしか作ってもらえず、年に数回ほどしか食する事が無かった。それが今や「赤飯おにぎり」は毎日食べることが出来る。当時は有難みをもって食べていたが今やそれは無い、しかしいつでも食べられる便利さは魅力的だ。
長い間お祭りなどでしか見る事がなかったラムネも復活した。飲むたびに聴こえるビー玉の音色が子供時代に引き戻してくれる。カルピスも再び脚光を浴びている。家庭で作る濃縮カルピスではなく、出来上がったペットボトルのカルピスは自分で作る味と違うので最初は違和感があったが、今ではすっかり慣らされてしまった。菓子パン関係もありました。青エンドウ豆で造ったうぐいすパン、あんこをカステラで挟んだシベリア、ジャム・チョコレート・カスタードクリームの3つの味が楽しめる三食パンなど大物パンが大復活している。嬉しい限り。
そんな時、とんでもない大物が目の前に登場した。「パンの耳」です。皆さん知っていますか。パン粉は時々見かけますが、そうではなくて食パンの端の堅いところやサンドウィッチの周りだけカットして販売している商品です。横浜本牧「本牧館」で発見!何と大量に入っているのに50円と激安。
子供の頃学校近くのパン工場で買った思い出があり、懐かしいのなんのって。そのまま食べるのではなく、家に持ち帰りオーブントースターで焼いた後、熱くなったフライパンでバターを絡め、お砂糖をまぶす。作り方をネットで調べたのでこれがベストかどうか判らないが、取り敢えず完成。試食タイムに移る。テーブルの横には牛乳。ベストマッチではないか。カリカリになったパンの耳にお砂糖、昔友達と公園で食べた思い出の味が一瞬で蘇る。わずか50円でタイムスリップ出来るのだ。
近頃流行の高級食パンも良いけど、50円パンの耳も絶対にいい!誰でも家庭で簡単に作れる。挑戦してみませんか。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。