LAでも、ホっとひといき お茶を囲めば、そこは『えんがわ』

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佐野 翔 Tsubasa Sano

日本茶インストラクター/移動式喫茶店 えんがわ喫茶 主宰

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■着物にキャップ姿がトレードマーク。伝統とモダン、日本とLA、自分の好きなもの同士が調和するお茶を目指している。
Instagram @engawa_kissa

日本茶の魅力を広めるべく日本茶インストラクターとしてロサンゼルスで日本茶クラスやケータリング、日本茶ポップアップなどを展開する佐野 翔さん。「ジャパン・ハウス ロサンゼルスでの日本茶クラスは全3回お茶と『地域』『健康』『季節』をテーマに行いました。日本は津々浦々、お茶の品種だけでも120を超え、四季折々のお茶の楽しみがあることを座学や実技を織り交ぜてご紹介しました。人種や文化の異なる様々なバックグランドを持つ皆さんが参加され、質問や議論が盛り上がるのはLAならでは。お茶に対する感想も新鮮で、私も多くを学びワクワクしました。マニアックな内容にもかかわらず好評で、毎回定員を超える多数のお申し込みをいただき関心の高さに驚きました」

もうひとつ佐野さんが力を注いでいるのが、LAダウンタウンの日系雑貨店で行う月一回の日本茶ポップアップ。そこでは夏のカリフォルニアの太陽にもぴったりのティーレシピが並ぶ。「季節の提案や新しいレシピなど毎回テーマを設けてお茶をお出ししています。私はミックスするのが好きで、伝統とモダン、日本とLA、をブレンドしたお茶を提案しています。お煎茶とセルツァーを組み合わせたティーセルツァーや、アメリカのパーティーで定番のパンチと和紅茶とスイカを合わせて作ったパンチボウルや、焙じ茶とスパイスを合わせた清涼感のあるレシピも人気です」

■茶釜と茶器を持ち歩いて、そこで淹れたてのお茶を提供する移動式喫茶店。みんなが笑顔になる「えんがわ喫茶」がLAの街に出現。

日本茶をあらゆる視点で深く広く発信する佐野さん。日本では神戸を拠点にして、アパレル・雑貨メーカーに13年間勤務、商品企画と雑誌編集を担当した。そこでお茶を学べる雑誌を8冊編集、カリキュラムを組むために日本茶インストラクターの資格試験にも臨んだ。お茶の栽培、品種、地質・水、歴史、実技試験などお茶を網羅する資格試験は合格率35%の難関。3年目で念願の合格を果たした。「何よりも、茶農家さんやお茶の先生、商社さんなどお茶の専門家の皆さんのところで2年半みっちり取材を重ねたことこそが、今の私の基礎になっています。中国茶や紅茶にも惚れ、お茶オタクが極まってインドにも飛びました」

取材先で得たことをシェアしたくて同僚や友達にお茶を淹れているうちに、さらにお茶への情熱が高じ、会社が休みの週末には神戸のファーマーズマーケットなどで移動式喫茶店をスタート。「みんながピクニックを楽しむ公園など、『あぁ、ここにお茶があったらいいのにな』と思うところにお茶を運んでいきました。その時にぴぴっと頭に浮かんだネーミングが『えんがわ喫茶』。家の縁側って、お茶を飲みながらちょっと誰かとおしゃべりしたり、本を読んでホっとするつかの間の居場所。お茶を囲めばそこが縁側。ロサンゼルスでもそんな居場所を美味しいお茶とともに持ち運べたらいいなと思っています」。

■「日本茶×カリフォルニア」をテーマにした色鮮やかで瑞々しい、まるでカクテルのようなレシピが並ぶ。

(5/1/2024)

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