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マス純葉
Math Sumiha
日本語教育基金 Los Angeles President
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近年のたびたび問題提起される、少子化の加速、人口減少による国力低下、国際間における高いコミュニケーション力や交渉力に優れたグローバル人材の不足。2023年に発足した「日本語教育基金Los Angeles」(JEFLA) がこれらの問題解決の糸口として重要視しているのが、海外子女への日本語教育支援だ。同基金のPresidentを務めるマス純葉さんによると「日本の経済社会や国際化を活性化するためには、国際感覚や異文化間の理解のある若者たちのグローバルな活躍が即戦力なると考えています」。では、日本国外で育つ子供たちの日本語学習の現状をどう捉えているのか。「海外でバイリンガル育児を熱心にされるご家庭はたくさんあります。しかし、日本人学校や補助校などの在外教育施設で日本語教育を受ける子女の割合は非常に低く、また経済的な理由や意欲の低下などで、日本語学習を途中で諦めてしまうケースが多い。中等教育以降も継続できる生徒はごくわずかです。日本語力が不十分になると、日系社会や日本文化に触れる機会が減少していき、日本人としてのアイデンティティが失われていくことに繋がってしまうのです」
そこで日本語教育基金 Los Angelesでは、大きな対策の軸「奨学金支援」と「オンライン学校開設」を提示。それにより生徒数の増加や教育環境の充実を図り、より多くのグローバル人材を輩出していくことを目標とする。「夏には日本での研修プログラムも予定。夏休みに日本へ帰国している子供たちを対象に社会科見学や地域の人々との交流をしながら日本の社会や文化に触れます。また、遠方に住むため登校が難しい子供も授業が受けられるように対面とオンラインで授業を行うハイブリッド型補習校を開設。共に勉学に励み、将来の夢を描く仲間との絆を深められる場にもなることを願っています」
静岡県生まれ。純葉さん自身は15歳でニュージーランドに留学、子供の頃からイタリア語に親しみ高校でローマへ渡った。ホスピタリティの本場スイスでホテルマネージメントを学んだ後、パリの四つ星ホテルや、アリゾナ、ビバリーヒルズの有名ホテルのフロントに勤務するなど、ワールドワイドに人生を歩んできた。
渡米後、結婚して母になり、異国での子育ての大変さや、お母さんたちが助け合える幼児のMommy&Meクラスの重要性を感じるようになった。子供ミュージアムで幼児教育に従事、日本語親子教室を主宰、補習校教員を務めるなど教育分野での経験を持つ。
「私は子供の頃から様々な国で過ごす中で、周りの方々に助けて頂きました。今度は自分が、次世代の子供たちのために、中等教育時の日本語教育支援を強化し、補習校奨学金制度を確立し、多くの生徒に日本語学習の継続を可能にする、それが使命と感じています。真の日本の国際化を実現するために」。
(3/13/2024)
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