野球を通じた日米国際交流

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小野チャック
Chuck Ono

NPO団体「310 BASEBALL」President/CEO

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「コロナ禍でも子供たちに野球を楽しむ場を」の思いで、2020年の夏にNPO団体「310 BASEBALL」を立ち上げた小野チャックさん。「10月にはアリゾナ、11月にはネバダ州で野球大会を開催。また、来年8月にはサウスベイとラホヤから約50人の選手(13~15歳)を日本に引率し、49回目の日米親善野球を行う予定です。」
https://310baseball.com/

「コロナ禍では、ロサンゼルス各地で子供たちの野球トーナメントや練習がキャンセルになり、外で野球ができない状態が続きました。そんな中でも、どうにか野球を続けたいというローカルの子供たちや親御さんたちがたくさんいたんです」。その声に答えて2020年の夏、地元の少年野球リーグの役員の人たちとNPO団体「310 BASEBALL」を発足した小野チャックさん。

「10歳くらいから17歳までの子供を対象に、選手の育成を強化しています。野球初心者の少年や、このプログラムに参加して野球の楽しさに出会った少年、ポニーリーグワールドシリーズへの出場をめざす少年まで幅広く参加しています。私も含め役員はボランティアで運営を行い、選手のスカラーシッププログラムも実施しています」

「日米親善野球」には、日系人のトーランス議員ジョン・カジ氏やジョージ・チェン トーランス市長なども参加するなどシティもサポート。

 「310BASEBALL」はLAローカルでの試合や野球教室のほか、2021年からは「日米親善野球」の開催を手がける。日米親善野球は隔年で日米交互に行われており、今年も8月初めから約2週間、サウスベイとラホヤエリアで合計36試合が開催された。「この日米親善野球は、少年野球リーグである日米のポニーベースボール連盟によって1975年から開催されている歴史あるプログラムです。日本からは、北海道から沖縄まで参加者を募り、今年は選手・保護者・関係者を合わせて64人が渡米しました」

 野球を通して国際交流ができるのも日米親善野球の大きな魅力だ。「試合が終わると、お互いの愛用のグローブやバットについておしゃべりしたり、子供たちが言葉は通じなくても触れ合いを楽しむ様子もみられます。子供たちの現地での滞在はホームステイになります。異国のホストファミリーと親交を深めて、大人になった今も連絡を取り合う子もいます。人生の思い出や出会いを作るかけがえのない経験にもなるのです」

 小野さん自身も異文化間で育った。生まれはカナダのバンクーバー。親の仕事の関係で日本と行き来しながら過ごした。少年の頃は野球のリーグに入り、州代表としても参加。大学時代は強豪が多く競争の激しい独立リーグでプレイしながら高校のチームのコーチも務めた。カナダで大学院を卒業後に日本で就職、16年前に駐在員としてLAへ。現在は独立して主に事業開発とコンサルティング業に従事しながら、310 BASEBALLの活動に走り回っている。

「日米親善野球」では、たくさんの出会いがある。写真は、310BASEBALLとサウスベイのホストファミリー、TEAM JAPANと。

「野球に勤しむ子どもたちの成長を見られるのは、嬉しいことですね。これからも野球を通じて日本とアメリカの国際交流を行い、子供たちが文化や言語、敬意、ライフスタイルなど様々なことを学べるグローバルな体験を提供していきたいと思っています」

(9/5/2023)

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