ジョシュアツリー保護法が施行、砂漠の開発業者には痛手(7/12)

 

【ロサンゼルス11日】気候変動の危機にひんしている数百万本のジョシュアツリーの生存確保を目的とした初の法案「西部ジョシュアツリー保護法(Western Joshua Tree Conservation Act)」が、ニューサム知事の署名を経て、この7月1日から施行された。

 同法案は、モハベ砂漠で再生可能エネルギーに関するプロジェクトや住宅建設が進む中で、これらとジョシュアツリー保護の共存を目指す。

 具体的な法案の内容は、無許可での樹木の殺傷や除去を禁止し、州の野生生物当局に2024年までの保護計画の策定と実施を義務づけ、適切な生息地を獲得し管理するための基金を創設するなど。また、カリフォルニア州魚類野生生物局に対し、一定の条件を満たした場合に限り、住宅用地から10本まで、公共事業用地からは40本までの樹木の伐採を許可する内容も含まれる。

 たとえば、許可を得た業者は住宅などの建設で、高さ16フィート以上のジョシュアツリーを1本伐採するごとに最高1,000ドル、ジョシュアツリー国立公園から2マイル以内で伐採した場合は最高2,500ドルの費用を支払うことが義務づけられる。

 大規模な再生可能エネルギー施設などのプロジェクトについては、伐採に制限はないが、開発者は、枯死する樹木の数を最小限に抑えたことを証明し、伐採されたすべての樹木に対して料金を支払う必要がある。

 ジョシュアツリーが生息するのは、パームデール、ランキャスター、ヘスペリア、ビクタービル、ユッカバレーといった急成長中の地域が多く、住宅建設業者は木の伐採にかかる追加コストを顧客に転嫁する計画をしていることから、住宅価格の上昇は必至だ。

 モハベ砂漠のシンボルであるジョシュアツリーだが、その多くが高温・乾燥のために枯れ、若い樹木が少なくなっている。自然保護活動家たちは、州による特別な保護がなければ、2100年までにジョシュアツリー国立公園内を含む生息範囲の90%が失われるのではないかと危惧している。

 

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