【ロサンゼルス16日】カリフォルニア州のニューサム知事は16日、全米で最も深刻とされる同州のホームレス問題を改善するため、州全域への1,200戸のタイニーホーム建設に約3,000万ドルの資金を充てると発表し、知事の任期中に同問題に対処すると明言した。
ホームレスを収容するタイニーホームは、120平方フィート(11平方メートル)という小さなもので、90分で組み立てることができるという。知事室によると、この住宅には電気は通るが、配管、水、調理器具は付いていない。
建設されるタイニーホーム1,200戸の内訳は、サクラメントに350戸、ロサンゼルスに500戸、サンノゼに200戸、サンディエゴに150戸の予定。州は住宅の建設と設置の費用を負担するが、住宅の維持管理は地方自治体が担う。
サンフランシスコ湾の南端に位置する人口約100万人の都市サンノゼでは、マット・マハン市長が過去3年間に500戸のスモールホームを設置。同市のホームレスのうち、避難していない人の割合は84%から75%に低下し、ここ何年かで初めてその数が減少したという。
ニューサム知事は2019年の就任以来、住宅やホームレス対策プログラムへの223億ドル以上の新規支出に署名している。カリフォルニア公共政策研究所の連邦政府データの分析によると、カリフォルニアのホームレス人口は2020年以降6%増加し、他の地域でも0.4%増加しており、支出額のわりに効果が得られていないと知事を批判する声もあった。
カリフォルニア州には現在、全米のホームレス人口の3分の1近くがいる。同州のホームレス問題は、手頃な価格の住宅が不足していることが一因とされている。