続木宗秋: 日系の先人から教わった日本人の強さと 米国のボランティア精神、次世代へ継ぐ

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続木宗秋
Muneaki Tsuzuki

植木剪定専門会社経営

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公益社団法人「大日本農会」より令和4年度の緑白綬有効章を受章した続木宗秋さん。

公益社団法人「大日本農会」より令和4年度の緑白綬有効章を受章し、1月25日にロサンゼルス総領事公邸での表彰状伝達式で、曽根健孝 在ロサンゼルス日本国総領事より表彰状と緑白綬有功章を授与された続木宗秋さん。「このたびの受章はここにいる皆さんとスタッフ、家族の支えがあったからこそできた」と初めに感謝を述べ、これまでを振り返りながら感慨深げに話した。

 1966年に渡米、オレンジカウンティの造園会社に勤務後、独立し植木剪定専門会社「続木ランドスケープ」を設立。50年以上にわたり樹木剪定事業を通して、コミュニティの大規模なランドスケーププロジェクトを展開してきた。「私が20代前半にロサンゼルスに来た当時は、今と違って日本人には仕事の選択肢がほとんどなかった時代。その中で庭園業は、第二次大戦前の排日の歴史の中で、日系一世の方々の献身的な仕事により『ガーデナーならば日系人』といわれる信頼が確立され、多くの日本人がガーデナーとして働いていました。その後、私はオレンジカウンティの造園の会社で働いていましたが周りは競合ばかり。どうにか人とは違う特色を出さなければと独立して始めたのが、植木の剪定の会社でした」

1月25日にロサンゼルス総領事公邸での表彰状伝達式で、曽根健孝 在ロサンゼルス日本国総領事より表彰状と緑白綬有功章を授与された。

 同社は大手カイザー病院、ニューポートビーチのホーグ病院などを顧客に持つほか、80年代初めには世界的なゴルフ場設計者、ピート・ダイ氏と共にサイプレス・カントリークラブのフィールド改造プロジェクトを手がけるなど、日系社会で最大規模の植木剪定会社を誇る。また、住宅の植木剪定では、ニューポートやラグナビーチに多く顧客を持つ。「夏に切る木や冬に切る木など剪定する季節も様々ですが、特に忙しいのは9月から12月。庭に日陰が欲しい夏場は伸ばしておいて涼しくなったら切る。今季は11月ごろから雨が多いので、例年の倍以上は木が伸びるでしょう。夏頃から仕事が忙しくなりそうです」。植木の剪定は盆栽のように繊細な美しさが求められる。「植木がきちんと手入れされていると庭だけでなく家全体の価値も上がりますし、さらにはコミュニティ全体の景観づくりにも繋がります」

 事業と併行して、長年日米文化会館やオレンジ郡仏教会での奉仕活動のほか、趣味のゴルフを通じてチャリティイベントを精力的に開催し、東日本大震災の被災地を支援。また多くの水泳オリンピック選手を輩出する出身校の中央大学の関係もあり、日本の若いアスリートの米国合宿をサポートするなど、日米の人々の輪を繋げる大きな役割を担ってきた。

「植木の剪定事業や地域活動を通して、日系二世の方々からは、日本人の持つ強さや米国ボランティア精神を教わりました。我々は、そのことを大切に次世代に受け継いでいかなければならないと強く感じています」。

植木の剪定事業では後継者の育成が大きな課題でもあるというが、続木さんの密かな計画は「ニュージーランドやオーストラリアなど世界各地へ長期の旅に出てみたいですね」

(3/14/2023)

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