ロサンゼルスの図書館、日本語図書が充実。 オンラインでの閲覧がこんなにも簡単に

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アメリカ101 第174回

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アメリカ、そして特にロサンゼルスでの図書館サービスがコロナ禍にあって「大変なこと」になっています。というのも、ここ数年で図書館に直接施設に足を運ぶことなく、オンラインでさまざまなサービスを受けるのを可能にするなど、「使いやすさ」が飛躍的に、そして格段に向上しているからです。今回のコラムは、さしずめ、アメリカでのネットによる日本語メディア・アクセスに関するさまざまな情報に精通した「検索学芸員」という立ち位置で、ロサンゼルスでの最新の図書館利用法を探るというのが狙いです。

まずは、「足を運ぶことなく」という趣旨に反するのですが、先週最寄りのロサンゼルス公共図書館(LAPL)Habor City分館に立ち寄ったところ、過去30年以上のサウスベイ住民としては初めて、約10冊の日本語図書が棚に陳列されているのを目にしました。ダウンタウンのLAPL本館や同リトルトウキョウ分館なら分かるのですが、こじんまりした同分館に、手垢まみれでではないピカピカの新本の日本語図書(そしてほぼ同数の韓国語書籍)が並んでいるのには驚かされました。ガーデナ図書館(ロサンゼルス郡図書館分館)やトーランス市立図書館本館のように、日系人や日本人が多く住む地域の図書館なら分かるのですが、全部で72があるLAPL分館のうち、サウスベイとサンぺドロの中間に位置する分館に日本語書籍を置くというのは理解に苦しむところです。だが、コロナ禍での新たなサービスという観点からの、各分館での日本語や韓国語での書籍陳列という趣旨であれば大歓迎ですので、関心にある方は、それぞれ最寄りの本館/分館を訪れてみてはいかがでしょう。

ところで、本題の図書館での日本語の新聞/書籍ですが、今回は、簡単に利用できるなら、閲覧の頻度が高いと思われる日本語の新聞や雑誌を手頃にオンラインでアクセスするやり方です。閲覧可能なのは、毎日新聞(朝刊/夕刊)、婦人画報、Men’s Club(メンズクラブ)、Vogue(Japan)、Harper’s Bazar(ハーパーズバザー)、non-no(ノンノ)、アウトドア誌「BE-PAL」、和楽など。最初に、グーグルなどの検索サイトで「LAPL」とクリックすると、市立図書館のホームページが立ち上がります。そして、そのページの選択肢から「E-Media andDigital Content」をクリックすると、新しいページに移動。そこで右側に、Pressreaderと記載された緑色の変形型があるので、それをクリックして、「言語」の選択肢から日本語を選ぶと、毎日新聞(朝刊/夕刊)に加えて、上記の雑誌類の最新刊分の表紙が表示されます。新聞を含めてバックナンバーにもアクセスが可能となっているの
で、連載記事や連載小説のうちで、見逃した過去の回も読めるという便利な仕組みです。

このような検索で読むことが可能なのは、当然ながら日本語媒体の新聞や雑誌だけではありません。ロサンゼルスという、英語だけではなく、色々な言語を日常語とする多民族が住む「世界の首都」にある図書館だけに、世界中のさまざまな言語の新聞や雑誌といったメディアに簡単にアクセスが可能となっており、興味のある方はトライしてみるのもいいでしょう。雑誌のカテゴリーも盛り沢山です。LGBTQから始まって、アート、アウトドア、エンターテインメント・テレビ、キッ
ズ・ティーン、クラフト・趣味、ゲーム、コンピューター・テクノロジー、スポーツ、デザイン、ニュース、ビジネス・経済、ファッション、健康・フィットネス、動物・ペット、旅行、音楽、食品・料理などななど、考えられうるあらゆる分野に及んでいます。

いずれも使い込めば、使い込むだけ便利で有効な使い方があるというのがアメリカの図書館だけに、この短いコラムで、すべてを網羅するわけにはいきません。そんなわけで、できれば近い将来に、「オンラインand/or対面」という方法で、より詳細な「コロナ禍でのアメリカの図書館の使い方」を分かち合うという機会を設けることを考えておりますので、実現した際には是非ともご参加ください。

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著者/ 佐藤成文(さとう しげふみ)

通称:セイブン

1940年東京出身。早稲田大学政治経済部政治学科卒。時事通信社入社、海外勤務と外信部勤務を繰り返す。サイゴン(現ホーチミン市)、カイロ、ベイルート、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス各支局長を歴任し、2000年定年退社。現在フリーランスのジャーナリストとしてロサンゼルス在住。


(2/21/2023)

 

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