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突然ですが、季節外れの「お化けの話」をしたい。日本では怪談話は夏が定番だ。厚着をしている四谷怪談のお岩さんの姿は想像出来ない!「肝試し」も真夏の風物詩。そこで「幽霊の定義」を調べてみることにした。
幽霊とは「死んだ人の霊」「成仏出来なかった魂の姿」のことらしい。この世に未練や恨みがあって成仏出来ない死者が、幽霊になって因縁のある人の前に姿を現すと言われている。幽霊の存在が一般的になったのは江戸時代。「怪談噺」として落語の演目となり庶民に大流行した。「雨月物語」「四谷怪談」などの名作も生まれた。浮世絵や水墨画で描かれるように、幽霊は決まって髪を乱し白装束で足が消えている。現在に至るまで日本人にとってはこのリアリティーある姿がお化けの定番だ。勿論冬に現れる幽霊もいると思うがイメージがわかない。どうしても夏物の和装で手を前に出して「恨めしや~」のスタイルが先行する。子供の頃はこれが怖かった。
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明治以降日本にも西洋文化が浸透してきたのだから、アロハシャツやTシャツ、ユニクロを着ている現代版幽霊が現れてもいいと思うが、残念ながら谷中霊園に「ミニスカートの美女幽霊が!」のニュースは聞かない。そうなんです、日本の幽霊カルチャーは江戸時代のままなのです!
それに引き替えアメリカには庶民的な「ゾンビ」がうじゃうじゃいますよね!アメリカ映画をみても「バイオハザード」「ゾンビランド」「ゾンビ津波」「ゾンビドッグ」「ハゲタカゾンビ」など挙げたらキリがない。今まで200本以上のゾンビ映画が制作されているそうだ。「バイオハザード」ではどれだけのゾンビが登場したのか。日本の幽霊映画にお岩さんが1000人登場なんて聞いた事がない!まして1000人全員で「恨めしや~」なんて…それってコントになってしまうし、誰も怖がらないのでは。
昔私が演出した「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」の中で、エキストラ100人で町に繰り出し、狭い道で突然一斉に走り出すと、周りの人が恐怖で一緒に走り始める現象が起こる「100人隊が行く!」という企画があったが、是非100人幽霊をバラエティ番組に採用したい!
アメリカンゾンビはディスカウントストアの安物洋服を着て登場するところがいいのだ。考えてみると、現代の日本では人が亡くなると火葬するが、アメリカは基本的には土葬文化。宗教的な考え方も死者に対する認識も日本とは違うのかもしれませんね。
次は日米お化け対決の映画を見たい。「お岩さん対ゾンビ」これは行ける!「ミッション:インポッシブル」を企画したトム・クルーズ、やってくれないかな~
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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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