ショーン竹心 シュローダー: 伝統芸術の美学、尺八と共に歩む人生

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ショーン竹心 シュローダー
Shawn ChikuShin Schroeder

尺八職人・尺八奏者

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シミバレー在住、尺八職人・奏者として、日本の芸術文化である尺八を広める活動を続けるショーン竹心 シュローダーさん。
Website: www.Shakuhachi.us 
YouTubeチャンネル

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日本の伝統芸術である尺八。「そのフォルムの美しさ、そして、大地を感じさせる雄大な音色は、聴く人の魂を揺さぶる神秘の力を秘めています」と、尺八の魅力を語るのは、尺八職人で奏者であるショーン竹心(ちくしん)シュローダーさん。シミバレーのサンタスザナ市に尺八道場を構え、尺八作りや演奏を通して尺八文化を広める活動に情熱を注ぐ。  

ショーンさんと尺八との出会いは彼がティーンになったばかりの頃。「私は少年時代から日本庭園や造園など日本文化に親しみを持ちながら育ちました。ある時、父の楽器コレクションの中で見つけたのが、1本の木製の尺八だったんです。それ以来、尺八をいじるようになり、その魅力に深くはまっていきました」  

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毎年、真竹の収穫シーズンには日本へ足を運ぶ。

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2003年に本格的に尺八を習い始め、尺八演奏家の柿堺 香氏などに師事。奏者としてその音楽を追求していたところ、尺八作り自体にも興味を持つようになった。「もともと物作りやクリエイティブなことに夢中になる性格です。音を奏でることに留まらず、尺八はどのようにして作られるのかや、尺八の持つ美学についても追及するようになりました」  

2012年に初めて日本を訪れ、毎年足を運ぶようになった。「尺八は一般的に真竹の根に近い7節ほどを使います。竹の収穫シーズンは11月から2月。その時季に合わせて名産地の熊本を訪れ、真竹を収穫しています」。日本で匠といわれる職人のもとで勉強や実践での修行を重ね、伝統的な尺八製法を身につけた。名人たちにより代々受け継がれる秘伝の技術を惜しみなく指導してもらったことで、トップメーカー仕込みの高品質の尺八を作ることができるようになったと話す。

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日本の熊本で採集された真竹を使用して、手間暇かけて完成させる尺八。

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「尺八作りは、慎重に真竹を採集、熟成し切断するところから始まります。私が作っている尺八では、下地に砥の粉と漆を合わせた『地』を内部に塗り付けていきます。地を塗り終えたら調律していきますが、工程の中で一番難しいのがここです。納得のいく音色を完成させるまでにゲージやヤスリを使って削って吹いてを繰り返しながら、形成していきます」。手間暇かけながら一つの尺八が完成するまでに2~3ヶ月を要するという。  

尺八作りにどっぷりと浸かるショーンさんだが、奏者としては国際尺八研修館に属し、ロサンゼルスローカルの有名レストランやフェスティバルなどで精力的にパフォーマンスを行っている。そんな彼のゴールとは「尺八職人としては、最高の品質といえる尺八を世に送り出していきたい。奏者としては、尺八の美しさ素晴らしさをアメリカで広く伝えると同時に、尺八という伝統芸術を受け継ぎ後世に繋げていきたいと思っています」。

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(3/22/2022)

 

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