日本のお正月には2つの大きな駅伝大会がある。ご存知、東京箱根間往復大学駅伝「箱根駅伝」。もう一つが全日本実業団対抗駅伝競走大会「ニューイヤー駅伝」だ。しかしこの2大会、認知度が全く違うのだ。
99回開催を誇る「箱根駅伝」はもはや国民的行事になってしまった。コロナ禍にも関わらず当日は沿道に多くの人が応援にやってくる。結果は往路復路とも青山学院大学のぶっちぎり優勝だった。混乱もなく、めでたしめでたしの結果となった。
ところで元旦にやっていた「ニューイヤー駅伝」の優勝のチームがどこかを皆さん知っていますか。それどころか何処で開催され、スタートやゴールがどこか?も知られていないのでは。
そうなんです「ニューイヤー駅伝」は寂しい立場なんです。今年の結果は、1位Honda、2位SUBARU、3位旭化成、4位三菱重工業、5位トヨタ自動車、と日本を代表する大会社ばかり。更にHondaには東京オリンピックに出場した選手が2名もいたのに。一流選手が走ったにもかかわらず全く盛り上がらない!
これって何なの? 私分析しました! ずばり場所がいまいち! 「箱根駅伝」は大手町をスタートし皇居の横を通り、湘南の海沿いを駆け抜け箱根路を目指す。選手を迎えてくれるのは霊峰富士。そうです日本人が大好きな富士山が登場する。
反則なんです!最強の助っ人が富士山とは凄すぎる。実は「箱根駅伝」を観ながら日本のお正月風景をLIVEで楽しむ、墨田川の花火大会と似たものなんです!
一方「ニューイヤー駅伝」は群馬県県庁をスタートし7区間100キロのコース。ゴールはこれまた群馬県県庁。共催が群馬県とは言っても余りにも地味ではないか。遠くに赤城山があり、群馬県民は喜んでいるが、どこにでもある県道を走るのでは見る方も盛り上がらない!!
どうしたらいいか。ズバリ!日本人が大好きな京都にコースを変更してはどうか!スタート地点には華やかな舞妓さんが大挙して応援団として参加、都をどりも見たい。各給水場には歴史的人物を配置する。先ずは千利休にお茶を出してもらおう。これは絶対に元気が出る!! 続いて新選組近藤勇、土方歳三、沖田総司が熱い激励の言葉を掛けてくれる!幕末の英雄坂本龍馬には応援団長になってもらう予定だ!
かなり強引なアイデアかもしれないが「ニューイヤー駅伝」は61回もやっているのに話題になっていないのが現状。だったら世間が驚くような事をしないと。実業団なんだから!正月から世の中ひっくり返さないとつまらない!このくらいパワフルにやって欲しいのだ。
ちなみに視聴率は「箱根駅伝」往路28.4% 復路26.2%、「ニューイヤー駅伝」12.4%だった。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。