映画「大綱引の恋」 出演者でプロデューサー
西田聖志郎さんインタビュー
「大綱引」を舞台に 家族の絆、海を越えた愛を描く
今年も10月4日から10月10日までジャパン・フィルム・フェスティバルが開催される。今回はオンラインと劇場のハイブリッド上映となる。同映画祭で上映される作品『大綱引の恋』の出演者でもあるプロデューサー、西田聖志郎さんが、らららインタビューに登場。
『大綱引の恋』プロデューサーの 西田聖志郎さん
鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の「大綱引」を本作品の舞台にした理由とは
2013年に製作した「六月燈の三姉妹」で海外の映画祭を回った際の体験を基に、「映画により鹿児島の魅力を世界に発信」という演題で薩摩川内市で講演した時に、「川内には400年以上前から大綱引という祭りがある。これを映画化できないか」という要望が地元の方からありました。そこでその年の『川内大綱引』を見に行き、3千人の男たちが、直径40センチ、重さ7トン、長さ365メートルの大綱を命懸けで引き合う壮絶な姿に心打たれたのです。この3千人には家族や恋人がいるだろうし、その一人にスポットを当てれば、大綱引と絡めて面白い家族の物語ができると思ったのが企画のきっかけです。
鹿児島県の薩摩川内市の「大綱引」が舞台
大綱引という日本文化だけでなく、韓国との交流も描れています。
同じ規模の大綱引がある韓国の昌寧郡(チャンニョングン)とは、両国の関係がギクシャクしている時でも双方の大綱引保存会同士20年にわたる親密な交流を続けているのです。ですから日韓の男女の恋と、その二人を取り巻く家族模様を描くことがイメージできました。
この映画は家族がテーマです。前作で海外5ヶ国8都市の映画祭などを回る中で、国や人種が違っても親が子供を思う気持ちは全く同じだと肌で感じることができました。そして、映画には国と国との垣根を取り払う力があると確信したのです。
今回は海外でのワールドプレミアでの上映となります。どのような人に観てもらいたいですか?
主演は、三浦貴大さんと元KARAのメンバーの知英(ジヨン)さんです。そして、この映画は佐々部清監督渾身の作であり、期せずして遺作となりました。鹿児島弁もたくさん出てきます。鹿児島から移住された方や、その子孫や鹿児島に関係のある方々にはぜひ観てもらいたいです。家族の物語ですし、英語字幕入り。一人でも多くの現地のアメリカの方々にも観て頂けると幸いです。
LALALA読者にメッセージをお願いします。
今、世界中の人々がパンデミックで苦しんでいますよね。佐々部監督は、家族の絆、海を越えた愛を描く中で、このような状況だからこそ大切にすべきは何かというメッセージを遺してくれました。ご自分のご家庭と重ね合わせて観て頂ければより身近な作品になるはずです。オンラインでも劇場でも観られますので、ぜひご覧ください。
ジャパン・フィルム・フェスティバル2021
日程:2021年10月4日~10日(オンラインと劇場のハイブリッド上映)
劇場上映日時:10月9日午後3時30分から
場所:Marilyn Monroe Theater(7936 Santa Monica Bl. West Hollywood CA 90046)
作品情報:www.JFFLA.org