ロサンゼルス空港発、米航空管制が大改革へ AI・デジタル技術で“空の安全”を再構築(9/28)

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【ロサンゼルス28日】米国で、老朽化した航空管制インフラを全面的に見直す大規模な改革が進んでいる。ロサンゼルス国際空港(LAX)はその中心的な役割を担い、新たな通信技術の導入や航空管制官の訓練体制の強化を進めている。

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背景には、航空通信システムの課題が浮き彫りとなった複数の事故やトラブルがある。

2025年1月には、ワシントン近郊で陸軍ヘリコプターと旅客機が衝突し、67人が死亡する事故が発生した。調査では、ヘリコプターの操縦士が重要な指示を聞き取れていなかった可能性が指摘されている。

また同年8月には、トランプ大統領が搭乗していた大統領専用ヘリ「マリーンワン」が旅客機に約1マイルまで接近する事案が発生。ホワイトハウス周辺の工事に関連した通信上の問題が原因の一つとされ、航空通信システムの改善が改めて求められることとなった。

元米連邦航空局(FAA)長官のクリス・ロシュロー氏は、「航空管制システムそのものを変革する必要がある」と述べ、全国規模での近代化の重要性を強調している。

FAAは長年にわたりシステム更新を計画しており、昨年には運輸省が老朽化した航空管制設備の刷新に向け、125億ドル規模の初期予算を確保した。

改革計画では、全国4,500カ所以上の施設を対象に、旧式の通信設備を光ファイバーや衛星通信へ移行し、新型無線設備を導入する予定だ。将来的には、ソフトウェア技術を活用し、航空機の移動をより効率的に管理する仕組みの構築も目指している。

LAXの航空管制責任者シェリー・エイブリー氏は、新技術の導入について「安全性と効率性を高めるものであれば、導入する価値がある」と期待を示している。

さらにLAXでは、航空管制官の育成にも最新技術が活用されている。高性能シミュレーターの導入により、訓練時間は約30%短縮。訓練生は実際の管制塔での勤務経験と並行してシミュレーション訓練を行うことで、現場への適応を早めることが可能になった。

このシミュレーターは今後、全米の他空港にも導入される予定だ。

LAXはまた、米国でも先進的なデジタル管制塔を導入した空港の一つとなっている。従来、管制官が紙のフライト情報票を使って管理していた業務は電子化され、航空機の状況確認や情報共有がより迅速に行えるようになった。

エイブリー氏は、「以前は紙の情報を移動させる作業に追われていたが、現在は画面を見るだけで状況を把握できる」と説明。電子システムによって管制官が航空機の監視に集中できる環境が整ったとしている。

一方で、米国では今後数千人規模の航空管制官の確保が必要とされている。FAAは採用プロセスの効率化を進め、採用目標を上回る成果を上げているが、今後は人材の定着も重要な課題となる。

ロシュロー氏は、「21世紀の人材を20世紀のシステムで働かせることはできない」と述べ、最新技術による職場環境の改善が人材確保にもつながると強調した。

航空管制官の業務負担を軽減することは、安全性の向上にも直結する。LAXでは、技術革新によって管制官がより多くの時間を航空機の監視に費やせる環境を整え、米国全体の空の安全を支える次世代システムの構築を目指している。

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