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森田のりえ
Norie Morita
とんぼ川柳主宰
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発足から今年で7周年を迎える、ロサンゼルスの川柳愛好会「とんぼ川柳」が3月16日に初の川柳交流会をガーデナで開催する。「発足から7年になりますが、会のメンバーが対面で集うのは初めてです。メンバーはもちろん、川柳に触れたことはないけれど興味があるという方も参加していただけたらと思っています」
現在、会員約60人が川柳を楽しむとんぼ川柳。ロサンゼルス周辺の川柳愛好家のほか、サンフランシスコ、アリゾナ、ハワイ、ケンタッキーなど遠方からも多数が参加。Eメールで会員一人ひとりから寄せられた川柳を集めて森田さんが編集を行い、月に一度発行する「句報」で発表している。
「もう一つ、人気があるのが『絵手紙川柳』です。これは、葉書きサイズの紙に簡単な絵を描いて、メッセージを添えるという絵手紙を元にした川柳。絵手紙はもともと『ヘタでいい、ヘタがいい』をモットーとする絵手紙の創始者である小池邦夫さんが考え出されたジャンルで、日本で人気です。当会では、その絵手紙にメッセージの代わりに自分の句を添える『絵手紙川柳』として楽しんでいます」
森田さんが川柳と出会ったのは13年前。当時ローカル誌でエッセイを執筆するなど書くことを仕事としていたが、川柳や俳句には特別興味を持っていなかった。「ある時、友人に誘われてリトル東京で開かれた句会に見学に行ったんです。その会場の黒板には大きな文字で『波』と書いてあり、その一文字をテーマに、30分以内にその場で即興で句を作ってくださいということでした。私は句を作るのは初めてでしたが、東日本大震災が起きてすぐの時で、波がすべてを押し流したその情景と共に、一つの句が浮かんできたんです」
「引く波にさらってほしい嫌なこと」
先生も褒めてくれたこの句を作ったことをきっかけに、川柳を作るようになったという。
日本では、『サラっと一句!わたしの川柳コンクール』(旧:サラリーマン川柳)などでも知られるように、流行や世相、人の心をテーマにした内容も多い川柳。森田さんにとっての川柳の魅力とは。「身近な身の回りで起きたことを五七五にしたためるのを『生活句』といいます。散歩の途中で目に入った道端の草花のことや、友達と世間話をしていて面白いなと思ったことを五七五にしたり。日々の何気ないことが句のテーマになって、生活がもっと楽しくなるエッセンスにもなる。そこに川柳の魅力を感じます」
現在、日系のローカル誌のコーナーでも、会員から寄せられた川柳が掲載されている。「今後は、Facebookでも皆さんの句を日々投稿していきたいなと考えています。『自分の作品がたくさんの人に読んでもらえる!』という嬉しさが川柳を作る励みになればと思います」。
(2/6/2024)
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