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横山紫穂
Shiho Yokoyama
「走りの教室」コーチ
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サッカー、野球、バスケ、テニス・・・スポーツの基本は「走ること」にある。正しい走り方を身に付けることが、競技パフォーマンスを上げることに繋がる。子供のころに、走ってアクティブに過ごすことは、運動神経が発達する「ゴールデンエイジ」以降の運動能力にも大きく影響するとさえいわれている。
その「走ること」に特化したクラスが、CALMOMMY(カルマミー)主催、横山紫穂コーチによる『走りの教室』だ。LAを拠点にローカルコミュニティの人々が繋がる場を提供するCALMOMMYは、コロナ禍での深刻な運動不足から子供たちを救うべく走りの教室をスタート。青空の下で行うクラスでは、子供たちが元気いっぱいにアクティビティに勤しんでいる。「走る・跳ぶ・投げる・蹴るの全てのスポーツに繋がる身体の動きを意識しながら、ラダーやミニハードル、縄跳び、坂道や階段を活用したり、足腰が鍛えられる砂浜トレーニングなどをとり入れ、『走る力』をぐっと高め、より速く走れることを目標にしています」
日本では体育教師として中学に勤務していたしほコーチ。3歳で親子エアロビクスを始めたのをきっかけに、小学生の時には競技エアロビクスでは東日本大会で2位に入賞。その後、6年生で突然腰椎分離症にみまわれ、全国大会出場を断念することに。中学入学と同時に陸上に転向。「クラスの中では足が速いほうだったので、入るなら陸上部だなと。子供の頃から何かとあれば走っていました。私、妹2人、弟1人の4人弟妹。親の自転車の前後には妹が乗り、私はその横で走る。自然と足が鍛えられたんでしょうね」
短距離走とハードル専門。中学では関東大会2位、全国大会出場。高校ではリレーで全国優勝。大学でも陸上部に進んだ。陸上一辺倒の生活だったが、その一方で度重なる怪我に悩まされた。「一番悩んだのは中学の時。怪我が1年ほど長引いて、走る気持ちさえ遠ざかっていました。ある日、親に内緒で部活をさぼって友達と遊びに行ったんです。顧問の先生が自宅に電話までかけてきた。私は部活が終わる頃に、怒られるだろうと恐る恐る謝りに行ったら、先生は『おお来たか。仕事を手伝ってくれ』と怒りもせずに、声をかけてくれた。その時に、先生は自分の辛い気持ちや、自分の存在をわかってくれていたんだと涙が出た」
「走りの教室」は決して、速く走ることだけが目標ではない。「こうでないといけない」という教科書の決まりなど全部とっぱらって、人と人が楽しく繋がる場を提供したいと話す。「かけっこで1番になった、苦手だった運動が好きになった、サッカーが上手くなった、やってみたいスポーツが見つかった、友達がたくさんできた。このクラスを通して、子供たちがワクワクするような何かを切り拓いてくれればと思っています」。
(11/21/2023)
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