生徒たちが、ありのままの自分で サイエンスを学べる教育環境を

s.

山田菜緒
Nao Yamada

UCLAサイエンス教育学部 大学院生

.


.

今春カリフォルニア大学デービス校を卒業し、現在UCLAサイエンス教育学部の修士課程で学ぶ山田菜緒さん。一人でも多くの生徒に科学に興味をもってもらい、生徒がありのままの自分で能力を発揮できる教育環境を作れる教育者になりたいと話す。

「サイエンス(科学)の素晴らしさは、世界に対する新しい視点やアイデアを与えてくれ、様々な問題解決に役立つことだと思います。科学には子供たちの考える力を育み、『なぜそうなるの?』という興味や好奇心を高める魅力があるのです」と話すのは、高校の科学教師になることを目ざし、UCLAでサイエンスの教育学部修士課程で学ぶ山田菜緒さん。

 UCLAを選んだ理由を聞くと「UCLAは特に社会正義に基づいた教育にとても重点を置いています。今の教育現場では、狭められた教育システムに縛られ、生徒自身が持つ能力が正しく評価されなかったり、過小評価されてしまうことが多数起こっています。生徒たちがありのままの自分で、ありのままの能力を称賛してもらえるような教育環境を作る方法を導いてくれる、そんな素晴らしいプログラムがここにはあります」

 修士課程では、教員免許を取得するために高等学校での600時間以上の実習を行うことが義務付けられており、菜緒さんは10月からロサンゼルス統一学区の公立高校で働いている。「ローカルの高校で実習を行っています。クラスで指導を行う先生のアシスタントとして、課題の採点や成績表の入力の手伝いのほか、生徒からの質問に答えたり、授業に集中できるように手助けするなどのサポートをしています。もともと人と接するのが好きなので、生徒に囲まれる環境は楽しいですね。私は生徒たちと年齢が近いので、彼らがジョークを言うと笑ってしまうことがありますが、そこは笑いをこらえてプロフェッショナルにみせるようにしています。授業中に生徒がスマホを触ろうとすることもしばしば。彼らの注意を引くのに苦労することもあります」

修士課程では、教員免許を取得するために、600時間以上の実習が義務付けられており、菜緒さんは10月からロサンゼルス統一学区の公立高校で働いている。

 トーランス生まれのトーランス育ち。子供の頃からバレエ、中高では水泳やチアリーディングに勤しみ、高校時代はライフガードや水泳のインストラクターをするなどアクティブに過ごした。「姉は看護師の道を目ざし、兄は研究室に勤めています。科学に情熱を抱く姉兄に大きな影響を受け、私は、彼らのように科学の力で社会のためになりたいという志を持つ人が世の中に増えるように、科学の教師になりたいと心に決めました」

 UCLAで科学の教育学を学び、高校で教師のアシスタントを務め、週末は米系グローサリーストアで働く。そんなスーパー大学院生である菜緒さんは、最近新たにスペイン語の勉強をスタート。スペイン語が話せるようになって、もっと生徒たちと会話ができるようになりたいのだとか。

「どんなに忙しくても、常にストレスフリーでハッピーでいられることが大切だと思っています。一人でも多くの生徒に科学に興味を持ってもらえるように頑張ります!」

(10/31/2023)

.

.

.

.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。