日本大学アメフト部の処分が甘過ぎませんか

 日本大学アメリカンフットボール部部員が大麻と覚醒剤所持の疑いで逮捕され、アメフト部は謹慎となった。しかし処分はすぐに解除。日本大学がアメフト部を無期限活動停止処分にしたのが8月5日、わずか5日後の10日に解除し11日から練習が再開されたのだ。

 11日夕、東京都世田谷区のグランドで、部員の一部40名が約一時間半パスやタックルの練習に励んだ。これには大学関係者からも「あまりにも早過ぎる。」と疑問視する声が聞かれた。

 日大内部からも批判の声が上がっている。ある幹部は「大学全体の問題として捉えず、部員や保護者を優先しているのでは。活動再開は火に油を注ぐようなものだ。」と。

 一方関東学生連盟は10日、日大アメフト部を当面の間リーグ戦に出場させないことを決定。同連盟に加盟する他大学の指導者も「皆が納得する形でやりたい。他の部員の関与も現段階では払拭出来ていない。」と指摘した。

 まさにその通りでは。改めて事件の経緯を顧みると「アメフト部員が大麻を合宿所内で使用している。」との内部通報が発端となった。慌てて大学側が合宿所の調査をしたところ、部員の部屋から違法薬物が発見された。一番重要な事は、逮捕された学生が大麻を「何処で使用していたか」等を調査して、林真理子理事長は大学での記者会見で速やかに発表すべきではなかったか。

 過去の大麻使用者の事例をみると、ミュージシャンは作詞作曲活動の前、コンサートやライブの前、メディア出演前に往々にして使用している。芸能関係者の多くは情事の前に使用しているケースが多い。ではスポーツ選手の場合は、というと、先日東京農業大学ボクシング部の部員も大麻所持と販売の疑いで逮捕されたが、実はこの二つの運動部に共通点がある。両部とも「ボディーコンタクト」をする競技という点だ。相手と激しくぶつかり合う、殴り合う、そこに恐怖心も生まれる。試合前に自らを鼓舞するために違法薬物に手を出してしまうことが推測出来るのでは。次元は違うが、歴史を見ても戦時中の特攻隊員が恐怖心の払拭と精神を高めるために「シロポン」を使用していたと聞く。

 いつの時代も若者の心は「自信と不安」が交差している。日本大学、東京農大の関係者は学生ともっと話し合う事が大切ではないか。林真理子理事長も、今回の処分解除は余りにも早過ぎです。会見での「私、スポーツにうとい」発言も通用しません。解除撤回と改めて凛とした会見をお願いしたい。

 このままでは日本大学のブランドイメージは落ちる一方では。在校生諸君も更なる情報開示を大学側に要求してみてはどうか!

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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