【ロサンゼルス17日】「GLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)」の年間レポート「Where We Are on TV」が発表され、スクリーン上にLGBTQ(性的少数派)のキャラクターが登場する機会が過去最多だったことが分かった。
このレポートは、5月に終了する2021ー22年度シーズンの、ブロードキャスト、ストリーミング、ケーブルシリーズにおけるLGBTQキャラクターの露出度を分析したもの。結果、定期的に登場するキャラクターの12%近くがLGBTQで、GLAADが調査を行ってきた26年間で最高となった。昨年のレポートからは2.8%増加した。
レポートによると、ケーブルシリーズに登場したLGBTQキャラクターの数は138人で、前年度の118人を上回った。また、LGBTQと識別されたTVのキャラクターは637人だった。
今回の調査には、Amazon、Hulu、Netflixに加え、新たに5つのストリーミング・サービスが追加された。それらは、Apple TV+、Disney+、HBO Max、Paramount+、Peacock。
ストリーミングショーでのLGBTQキャラクター数は358人で、昨年の217人から増加。その中で最もLGBTQキャラクターの登場率が高かったのがNetflixで、155人だった。次いで、HBO Maxが71人、AmazonとHuluがそれぞれ36人、 Apple TV+が6人。
ブロードキャスト・ネットワークでは、CWが最もLGBTQキャラクターを多用し、次がFox。これらLGBTQキャラクターのうち、40%にあたる56人がレズビアンだった。また、ゲイの男性のキャラクターは35%にあたる49人で、昨年度から5%減少した。
LGBTQキャラクターの多様性については、ブロードキャストとストリーミングでは改善されているが、ケーブルでは4年連続で悪化していることも判明。また、ブロードキャスト・ネットワークでは、有色人種のLGBTQキャラクター使用が白人のそれを上回る状況が4年続いており、今年は58%。一方で、ケーブルでは今年、有色人種のLGBTQキャラクター使用が45%に減少した。GLAADは、LGBTQキャラクターの半数以上を有色人種とすることを提唱している。
GLAADのサラ・ケイト・エリス代表は、「TVでのLGBTQキャラクターの増加は、ハリウッドが世界に向けた多様なストーリーの発信を重要視し始めた証拠」と称賛。LGBTQに対する差別撲滅へ、TVの影響力に期待を示した。
GLAADは、アメリカ国内で、LGBTQの人々のイメージに関するモニタリングを行っている非政府組織。メディアにおける差別報道の防止を目指し、1985年に設立された。