松山 ジェンマ
Gemma Matsuyama
パティシエ
ロサンゼルスを拠点にパティシエとして活動する松山ジェンマさん。日本生まれ、ニュージャージー育ち。高校でイタリアへ留学・修行、帰国後はNYのベーカリーやレストランで7年ほど働いた後、LAへ移住しシェフ仲間たちとフードトラックを運営。その後本格的にパティシエに。
Website: https://www.gemmamatsuyama.com/
Instagram: https://www.instagram.com/gemnator/?hl=ja
近年スタイリッシュなカフェやレストランが増え、アーティストも多く住むエコパークエリア。ドジャース球場にも近いこの場所に5年ほど前にオープンした日本食レストラン「TSUBAKI」。一昨年にはカフェ「OTOTO LA」が隣接オープン。居酒屋をコンセプトとした両店のパティシエを担当するのが松山ジェンマさんだ。
日本を思わせる四季折々のフルーツなど、ローカルの素材をふんだんに使用したスイーツは、和菓子の要素をベースに洋も感じられる。「農園の方々が愛情をこめて作られている果物や野菜を使用するのが、私のお菓子作りのコンセプトです。夏はぶどうやメロン、いちごなどを使用したスイーツが人気。秋へ移り変わる今の時季は、プラムを乗せたラムレーズン入りのスフレチーズケーキや、ほうじ茶プリンやあんみつ。もう少し涼しくなったら、温かいデザートをと考えています」
季節の果物、ぶどうを使用したあんみつや、クッキーやお団子など和洋スイーツが楽しめる春のペイストリーボックス@ Ototo 2021。
日本人の父とイタリア人の母のもと日本で生まれ、ニュージャージーで育ったジェンマさん。「家族はみんな食べることが好き。もともと母と姉は料理好きで、特に父と私は甘党。初めてお菓子作りに挑戦したのは、中学校の時に作ったシュークリームでした。このシュークリーム、家族みんなにと思って作ったのですが、お父さんがほとんど食べてしまいました(笑)。家族が、美味しい!と喜んでくれたのがすごく嬉しかったのを覚えています」
高校は、料理を専門に学べるイタリアの高校へ留学。イタリア南部にある、祖母の暮らすアブルッツォ州の学校に通った。「山の奥にある人口500人ほどの田舎街。そこで5年間、のどかな自然の中でイタリアンクイジーンを学びました。来る日も来る日も手作りパスタを作ったり、魚料理を作ったり。そんな中でやっぱり私は甘いフルーツやチョコレートに囲まれて仕事がしたいという思いがありました」
アメリカに帰国後は、NYマンハッタンにあるベーカリーやレストランでシェフとして働きながらパン作りや菓子作りを実践で学んだ後、シェフ仲間たちとロサンゼルスに移住。一緒にフードトラックをオープンし、野菜や肉がたっぷりの玄米丼が好評に。2年後、トラックでの経験をもとにスタッフ皆がそれぞれの道へ進み、ジェンマさんも日本食の有名店でパティシエをしながら菓子作りの腕を極めた。
photo by Zohra Banon taken at n/Naka
今年は、食専門の情報リソースやプラットフォーム StarChefs.com よりベストペストリーシェフ賞を受賞したジェンマさん。「お菓子作りの楽しさって、季節の果物でジャムを作ったり、ジャムを作っているその間にケーキも焼いちゃおうとか、お菓子を日本の姪っ子に送りたいな、というワクワク感。皆さんの特別な記念日や、日々楽しんでいただけるお菓子。これからも人との出会いを大切に、お菓子作りを極めていきたいですね」。
(9/17/2021)