【ワシントン10日】米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは9月9日、2020年米国国政調査のデータに基づくヒスパニック系の人口動態に関する分析結果を発表した。
それによると、米国のヒスパニック系の人口は、2010年の5,050万人から2020年の6,210万人と23%増加した。2010~2020年の全米の人口増加(2,270万4,000人)の半数(1,160万2,000人)がヒスパニック系だった。
カリフォルニア州では、ヒスパニック系人口が2014年に白人人口を上回り、その後も増加を続け、2020年には1,560万人に達している(白人1,370万人、アジア系600万人、黒人210万人)。
2010~2020年にヒスパニック系が100万人以上増加した州は、テキサス(200万人増)、カリフォルニア(160万人増)、フロリダ(150万人増)で、この3州でヒスパニック系の人口増加の44%を占める。ニューヨーク(53万1,000人増)、ニュージャージー(44万7,000人増)の各州でもヒスパニック系は大きく増加した。同時期のヒスパニック系の増加率が高かったのは、ノースダコタ(2.5倍)、サウスダコタ(75%増)の各州だったが、いずれも4万人に満たない。
■米国生まれのヒスパニック系人口が移民を上回る
近年、米国生まれのヒスパニック系人口が伸び、ヒスパニック系の移民人口は減少傾向にある。1980~1989年のヒスパニック系移民560万人に対して、米国生まれのヒスパニック系は440万人だったが、2010~2019年では、同移民350万人に対して米国生まれが930万人と大きく上回った。
「英語をうまく話す」ヒスパニック系(5歳以上)の割合は、2010年の59%から2019年に72%まで上昇した。
また、大学在学経験のあるヒスパニック系(25歳以上)は、2010年の36%から2019年の42%と上昇している。女性(2010年38%、2019年45%)の方が男性(33%、39%)より大学在学経験率が高い傾向にある。
ヒスパニック系の出自では、メキシコ系(3,719万人)が最も多く、全体の60%を占め、続いてプエルトリコ系(585万人)、キューバ系(238万人)だった。