ゼロからの挑戦で40年。 そして、これから。

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陽子セニサック
Yoko Senesac

BYB English Center代表

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■ここ最近の英語教育についてこう語る陽子セニサックさん。「日本人の英語を話す積極性や英語を学ぶ姿勢が良い方向に変化しているのを感じます。目的意識を持って意欲的に英語学習に取り組む人が増えているということでしょうね」
BYB English Center
https://www.bybenglishcenter.com

1985年にトーランス市で創立、今年で40周年を迎える英語学校「BYBイングリッシュセンター」。長年ロサンゼルスで多くの人々に英語教育を提供するだけでなく、コミュニティから愛され続けるBYB。そこには、どんなスタートがあったのか、人々とのどんな繋がりがあるのか、振り返る。
 陽子先生と英語教育との出会いは5年間のイギリス留学。「大学に入る前に英語を学んだのは、先生が生徒一人ひとりにしっかりと対応できる少人数クラスでした。辞書を引きながら単語を並べる私に先生は『いちいち調べてるから喋れないんだ』と辞書を取り上げました。これが私が英語が話せる大きなきっかけとなりました」。イギリスでの経験により「マンツーマンの英会話スクールを作りたい」思いが芽生えた。  
 日本帰国後に夫のビルさんと出会い、結婚してロサンゼルスへ渡るとさっそく学校設立の準備に取り掛かった。ビジネスにまず必要なのは資金だ。「当時ビジネスの知識もゼロ、お金もなかった。何も知らない私はパスポート一つ持って銀行に行き『ビジネスを始めたいのでお金を貸してもらえますか?』と言うと、窓口の人はびっくり。支店長さんがじっくりと話を聞いてくださって、アメリカで担保も何もない私にお金を貸してくれたんです。あの時、支店長さんの前向きな支援がなかったら、学校を立ち上げることはできなかったでしょう」。トーランスの一角にある古いビルの部屋を借り、夫と義父が中古の家具を運び入れ、修繕をしてくれてやっと開業できた。「古いボロボロの教室からスタートしました。手作りのビラと、電話をかけまくって宣伝していると、だんだん生徒が来始めたんです」
 BYBは日系企業の多いトーランスという土地柄を強みにして、順調に生徒を増やしていった。生徒のほとんどが日本から駐在で来るビジネスピープルやその家族。日本人のニーズに合わせた「全クラス個人レッスン制」が人気を博し、カリフォルニア有数の英会話スクールへと成長した。「ある時、世界トップの自動車メーカーの社長さんが、世界地図を指差しながらこう言われたんです。『陽子さん、あなたみたいな若い人が遠い日本からアメリカへ来て、ここに住む日本人のために英語を教えるということは素晴らしいことです。そのパワーで頑張ったら、きっと夢は叶いますよ』と」。ビジネスの手ほどきは、世界経済のリーダーたちが直々に授けてくれた。
 学校経営をスタートして最初の20年は、夫と力を合わせて3人の子育てにも全力を尽くした。長男の淳セニサックさんは、YouTubeを中心に『Hapa英会話』をグローバルに発信するなど、英語教育に携わっている。
 多くのBYB卒業生たちとの交流は何年も経った今も続いている。「私が自信を持っていえるのは、大事なのは、人と人との繋がりであること。先生と生徒、コミュニティの人々との繋がり。このBYBイングリッシュセンターが繋ぐ人の輪がどんどん広がり、未来に受け継がれていくように、これからの10年もしっかりと歩いていきたいと思います」。

(2/4/2025)

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