犯罪多発のロサンゼルスで警察官として活躍するYURIが、警察官の日常・事件の裏側・ロサンゼルス犯罪のリアルな「現場」をReport。 読者からのコメントや質問にどんどん答えるキャッチボール型コーナー。 アメリカ生活を安全に、また、犯罪に巻き込まれないよう、現役警察官ならではのアドバイスも。

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Vol.52

 

サンフランシスコは年々治安が悪化しています。

 

理由は一つではありませんが大きな要因と考えられるものの一つに Chesa Boudin地方検事DA Boudin)による 犯罪システムの立て直しという名で行われていた活動によるものではないかと、私個人では考えています。

 

2020年の大晦日に日本人留学生の阿部華子さん当時27がサンフランシスコで殺害されました。犯人はその当時犯した2件の事件の容疑者として逮捕されていたにも関わらず、刑務所に送り返されるのを免れて仮釈放中でありました。その決断に関わっていたのがDA Boudinです。

 

その事件をきっかけに、私は警察官としてもしくは通訳だけでもお手伝いできる事がないかと華子さんのお母様と連絡を取り合ってきました。そのため、DA Boudinがリコールされたと知った瞬間、他人事とは思えず涙が溢れました。お母様も涙されたとおっしゃっていました。ただ、失われた華子さんの命は戻ってきません。

 

一人の人間が当たり前の任務をこなさなかった事で何人もの命が失われたのです。決して許される事ではありません。

 

そして、現在のロサンゼルスの治安はどうでしょう。RECALL George Gasconというサインを目にすることが多いですが、これはGeorge Gascon地方検事が当選以降、殺人率が急増したためです。なぜなら、彼が当選後真っ先に行ったのが死刑を無くすこと。それ以外にも警察官が人身売買やその他の凶暴な犯罪で容疑者を逮捕しても、DA Gascon起訴をすることすら拒むのです。我々警察もお手上げ状態です。地元警察、特にLASD (Los Angeles County Sheriff)も何度も彼の判断に抗議をしてきました。

 

このような理由もあり、DA Boudinがリコールされたというのは治安改善の大きなステップであり、ロサンゼルス在住の私はなんとかDA Gasconのリコールも同じように現実化されたらと強く願います。

 

ロサンゼルスにまたいつか平和が戻りますように。

 

*この記事の内容は、あくまで私個人のもので警察署の意見として書いているものではありませんのでご了承下さい。

Stay Safe, Everyone!!!

ggg.


プロフィール
YURI
ロサンゼルス 近郊 Police Department勤務

日本から留学生として渡米しアメリカ国籍を獲得。2014年に警察学校に入り6ヶ月後に卒業。現在はLA近郊のパトロールを担当しながら、人身売買根絶を目指すNPO法人LOVE SPECTRUMを立ち上げ活動中。二児のシングルマザーとして育児と仕事を両立する傍らSNS通してLAのリアルを発信する

インスタグラム:@1114lajpn

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ベストセラー書籍
実録LA初 日本人女性警察官: ロス市警統一採用試験合格までの道のり編
amzn.to/3HqAAoo

 

実録LA初 日本人女性警察官: 諦めなければ道が開く!卒業率30%の警察学校編 
amzn.to/3HqBBoo


NPO法人 LOVE SPECTRUM

インスタグラム: @lovespectrum2021
ウェブサイト:lovespectrum.org/


らららインタビュー記事:『Vol.26 動く人の活動NOTE -警察官YURI』を読む

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(6/17/2021)

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