増田 堅太郎
Kentaro Masuda
米国日系レストラン協会会長
米国日系レストラン協会 増田 堅太郎会長。中心となって積極的な情報発信を行い、コミュニティの人々やレストラン同士の繋がりを深めながら日本食文化を盛り上げていきたいと話す。
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ロサンゼルスで1999年に設立。昨年で設立20年を迎えた米国日系レストラン協会(JRA:Japanese Restaurant Association)では20年の節目を機に、LAで日本食レストラン「神楽」を兄弟で経営する増田 堅太郎さんが新たに会長に就任した。
現在南カリフォルニアの日系レストラン約250社をはじめ飲食関連の企業などが所属するレストラン協会。設立の背景には、90年代半ばにLA近郊の飲食店を中心に移民局、労働局、アルコール管理局、衛生局の厳しい手入れが頻繁に行われ頭を抱えていた日系レストランを日系企業や団体がサポートしようと立ち上ったことがある。
「当時アメリカで日本食ブームの中心的存在であったお寿司については、法律に沿った衛生局からの指示により、長年職人さんたちが受け継いだ調理法さえも変えざるを得ない状況でした。そこで、リトル東京の鮨元オーナーの豊島年昭さんや、Katsu-ya Group代表 上地勝也さんなど前会長や役員の方々が一致団結して立ち向かったのが始まり。レストラン協会のゴールである『日本食を通じて日本文化を広める』は、設立から現在、そしてこれからも変わりません」
コロナ禍前に毎年恒例で開催していた日本食祭りでは、寿司をはじめとした日本食や日本酒を紹介、マグロ解体ショーなども披露。
昨年2月24日に増田さんは会長に就任。古き良き日本食の在り方を残しつつ、ソーシャルネットワークなどを駆使したデジタル化で次世代を見据えた日本食の拡大に向かって走り始めた矢先の3月、新型コロナウイルス・パンデミックが起きた。「レストラン協会では、コロナ前からオンラインを積極的に取り入れることを視野に置いていました。ところが、パンデミックによりレストランでの店内飲食が禁じられ、テイクアウト・デリバリー、オンラインオーダーなど有無を言わさずレストラン業界にオンライン化の波が押し寄せてきた。我々にできることは何かと考えた時、SNSを通した情報発信でした。目まぐるしく変わる政府からのガイドラインについて情報交換を行ったりと、コロナ禍により多くの人との繋がりが広がったり、困難を乗り越えるべく結束が強まった面もあります」
経済再開後も現在、レストラン協会では定期的に飲食業関連の法律セミナーや、日本語でのフードーハンドラー試験を実施。また今年は、協会会員のレストランがお弁当を作って日系敬老ホームへ届けた。さらに11月14日は、2年ぶりにスペシャルイベント『LA eats JAPAN』をリトル東京で開催。
11月14日(日)11am~8pm、リトル東京で2年ぶりの食の祭典『LA eats JAPAN』を開催。
詳細: https://laeatsjapan.com/
「お寿司を中心に開催していた食の祭典を今回は、お寿司はもちろんラーメンや焼き鳥、お好み焼き、とんかつ、たこ焼きなど、この他にもたくさんの食ブースが登場してバラエティ豊かにお届けします。お子さまに人気のお面コーナーやヨーヨー、金魚すくいや、ステージエンターテイメントもあります。日本食をたくさんの皆さんに味わっていただきたいですね」。
(10/29/2021)