不動産とBBQの関係

最近仕事でよく不動産を見て回っている。東京の高層マンションから田園調布の超豪邸、足立区の狭小一軒家、更には軽井沢の別荘まで、色々と見せてもらっている。(ドン小西さん軽井沢に別荘買いました)

その感想ですが、不動産屋の担当者は、物件購入にあたり、間取り、日当たり、駅までのアクセス、耐震性などを一通りの説明の後、必ず話し出すのは「お客様、お庭・ベランダでバーベキュー(BBQ)パーティー出来ます。最高ですよ。」のひと言! 田園調布の豪邸でも、西新井の環七沿いの古いマンションの2階でも担当者は必ず話し出す。

これって何?家を購入したら何が何でも家族で(独身でも)BBQパーティーをしなくてはいけない感じになっている。今時の一家団欒の幸せはBBQから?…そうなんです、これが「幸せ勝利の方程式」なんです。

 

 

幼い頃アメリカのホームドラマで、フルサイズのワゴン車で家族が週末のドライブに出掛けたり、学校のサマーキャンプで仲間と湖畔で楽しんでいる時に必ずBBQを囲むシーンを見た。櫛に刺さった大きなお肉や見たこともない野菜を頬張り、どれほど羨ましく思ったことか。

いつ頃から日本にBBQは定着したんだろう。日本の住宅事情は相変わらず良くない。目黒区辺りの建て売り住宅は30坪で1億円超えは当たり前。北千住の駅から15分の古い60平米マンションすら2000万円超え。苦労の末マイホームを手にしたら、どうしてもBBQをやりたい気分になってしまうんです!「幸せ方程式」への憧れがあるのかもしれない。炎と厚切りステーキは成功者の証なんです。

しかし、私はバーベキューがどうしても好きになれない!その訳は・・・煙が目にしみる。火が強すぎて大切な肉がうまく焼けない、炭のようになってしまう。仲間と肉の取り合いになり、生肉のまま食べたことが何度もある。落ち着かない。強風で砂が食べ物の混じり口に入れるとじゃりじゃりする。タレが飛び散って白いセーターがシミだらけ。火の粉が頬にあたり火傷したこともある。そうなんです、全く楽しい思い出が無いのです。それなのに不動産屋は自慢げにBBQパーティーが出来ますよと満面の笑み!

でも彼らが悪いわけじゃない。私が不器用なだけなんです。こうなったら本場アメリカ在住の読者の皆さんから私に最高のBBQ作法を教えて欲しい。出来れば西部劇スター、クリント・イーストウッドのようにワイルドな食べ方も知りたいのだ!焚き火の横でカントリーソングを歌ってくれるカウガールも紹介してくれたら最高です!

ところで、アメリカの不動産屋さんは物件内覧の時にBBQの話するのかな~

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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