春節祝うモントレーパーク市で銃乱射 11人死亡、9人負傷 「憲法修正第2条は自殺行為」と加州知事(1/23)

【ロサンゼルス23日】旧正月「春節」の祝いで賑わうモントレーパーク市で21日午後10時半頃、Garvey通りのダンススタジオ「Star Ballroom Dance Studio」に男が押し入り銃を乱射し、10人が死亡、10人が負傷する事件が起きた。男はその直後、約2マイル離れたアルハンブラ市のダンスホール「 Lai Lai Ballroom and Studio」でも犯行を試みたが、店員に銃を奪われたために車で逃走。翌22日の午前11時頃、警察が男の運転するバンを見つけて追跡し、トーランス市の「Del Amo Mall」近くで男は車内に立てこもった後、銃により自殺した。

 23日には、病院で治療を受けていた1人が死亡し、同事件の死者数は11となった。現場で死亡した10人の名前などは23日時点で未発表だが、性別は男性5人、女性5人で、年齢は50代から70代。

 ロサンゼルス郡シェリフ局によると、犯人はアジア系のフー・キャン・トラン容疑者(72)で、へメットの容疑者宅を捜査した結果、狩猟などに使われる308口径ライフル銃や弾薬などがみつかった。警察によると、トラン容疑者は1月7日と9日にへメット警察署を訪れ、ロサンゼルス地域で10年から20年前に家族が関わった詐欺や窃盗についての被害を訴えており、家族が自分を毒殺しようとしているとも話したという。

 犯行の動機は捜査中だが、中国商工会議所の関係者によると、トラン容疑者の妻と思われる女性が21日のダンス催しに招待されたがトラン容疑者は招かれず、嫉妬などが影響した可能性がある。

 事件を受けて22日、バイデン大統領が声明を発表し犠牲者を悼んだ。また、カリフォルニア州出身のハリス副大統領も訪問中のフロリダ州での演説でモントレーパーク市の銃乱射事件に言及し、「春節を祝うコミュニティーを引き裂いた銃犯罪」と強く批判した。

 また、カリフォルニア州のニューサム知事は23日にモントレーパーク市を訪れ、「(銃を保有する権利を規定した)憲法修正第2条は自殺行為になりつつある」と、不十分な銃規制の改善を訴えた。警察の調べによると、今回の事件では、銃規制が全米で最も厳しいカリフォルニア州では違法とされている大容量マガジン付きの改造ピストルが使われた。 

 非営利団体「Gun Violence Archive」によると、今年に入り全米で起きた銃による大量殺りく事件は、今回ですでに33件目。モントレーパーク市の銃乱射事件はロサンゼルス郡史上最悪の事件の一つとなった。

 中国系が多く住むモントレーパーク市で人気の春節の祝いは、21と22日の両日開催される予定だったが、22日は中止された。モントレーパーク市庁舎前では23日午後7時から、キャンドルナイト・ビジルが開催される。また、同事件により影響を受けた人への精神面でのサポートが、同市の「 Langley Senior Citizen Center(400 W. Emerson Ave)」で提供されている。

 

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