Eugene’s LIVE TALK 野村祐人 X 祐真キキ(Weekly LALALA 723号掲載)

Eugene’s LIVE TALK

Eugene’s LIVE TALK

■野村祐人 東京都出身、ロサンゼルス在住。俳優、映画プロデューサー、株式会社LDHUSA代表取締役CEO。父は、バンド「ゴダイゴ」をプロデュースしたジョニー野村氏、母はキャスティングディレクター・演出家・作詞家の奈良橋陽子氏。日米で俳優、映画プロデューサーとして活躍。

■祐真キキ 京都府出身、ロサンゼルス在住。2015年にNBCテレビシリーズ「HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン」でミコ・オオトモ役に抜擢。日米をはじめグローバルに、映画やドラマ、舞台、CMなど幅広く活躍。 オフィシャルサイト sukezane-kiki.amebaownd.com/

野村 キキさんといえば、「HEROESREBORN/ヒーローズ・リボーン」でのミコ・オオトモ役に抜擢されたことで一躍ハリウッド女優に登りつめたイメージを持つ人も多いと思いますが、そもそもは、なぜ役者になりたいと思ったんですか?
祐真 もともと人道支援や環境問題に興味があって、高校を卒業してから世界をこの目で見てみたいと思い、アルバイトで貯めたお金でアフリカやタイを旅したんです。旅先のタンザニアで一人のアメリカ人と出会いました。その人は南スーダンで人道支援活動をしている人で、その人と色々と話をするうちに、世界の貧しい国で苦しんでいる人たちの現状を伝えたい、そして多くの人たちを救いたいという気持ちが強くなりました。そのために、まずは自分が有名になって影響力を持たないといけないという考えに至ったんです。
野村 そこでいきなりハリウッドを目指そうということになったわけですね。
祐真 そうなんです。手始めに日本からとも思いましたが、どうせハリウッドを目指すんだったら直接ハリウッドへ行ったほうが早いかなと思って。ただ、演技についてはまったく勉強したことがなかったので、学校で学ぼうと思い、キャスティングディレクターで演出家の奈良橋陽子さんが主宰の俳優養成機関「アップスアカデミー」の入学オーディションを受けて、最初に体験レッスンを受けました。
野村 体験レッスンでどんなことを習いました? やっぱりまずはパートナーを組んでセリフを言ったりリアクションをしたりする「Repetition(レペティション)」のエクササイズからだったのかな?
祐真 そうですね、「演技ってこんなことをするんだ!?」って初めて知って衝撃的でした。振り向いて相手の人を見つめたり、見つめ合ったり。私自身、人と見つめ合うとかすごく苦手。うわ~気まずいなぁと思いながらやって、まあ入学オーディションに落ちたら落ちたでいいかという気持ちで臨んだら、受かりました。それが始まりで、21歳で役者の世界に入って、23歳でロサンゼルスに来ました。
野村 特に「ヒーローズ・リボーン」のミコ役に抜擢されて以来、いろいろな作品や仕事のオファーが来るようになったと思いますが、どんな役でもやってみようと思いますか?
祐真 そうですね、まず台本を読んでみて、これは自分に向いてないな、しっくり来ないなというものもあります。そんな時もとりあえずオーディションを受けてみますが、やっぱり受からないことが多いですね。心が動くものでもそうでないものでも、試みようとは思います。
野村 そういえば僕、先日は中南米系の役柄のオーディションを受けたんですよ、結果はまだ出てないけれど。
祐真 えっ!?日本人やアジア系の役じゃなくてですか?確かに日本人離れした外見だから、祐人さんなら中南米系やラテン系の役でもいけるかもしれないです。
野村 ヒーローズ・リボーンの見せどころとしてアクションのレベルも高かったけど、ここ最近でもオーディション前にアクションのトレーニングを集中的にしたりするんですか?

ハリウッドの先にあるゴール

野村 基本的にしないですね。役が決まって撮影本番となるとアクションを集中的にトレーニングしますが、オーディションの段階でアクションを求められることはあまりないんです。ただ、オーディションのためのセリフは、体から自然に出てくるくらい完璧に覚えるようにしています。
野村 英語の問題は?英語の勉強もかなりしますか?
祐真 特別にテキストブックに向かってという勉強はしません。そのセリフを覚えること自体が英語の勉強かなと思っています。
野村 ハリウッドの現場でのコミュニケーションについては?
祐真 ほぼ大丈夫です。といっても現場によっては半分くらいわからない時もあります。ハリウッドといっても監督やクルーみんながアメリカ人というわけではなく、イギリス人の監督やオーストラリア人、ニュージーランド人の方もいて、それぞれ耳慣れないアクセントの英語だと一語一句聞き取るのは難しい。
野村 日本の映画や、挑戦してみたい作品や役どころはありますか?
祐真 日本の映画だったら、ほんわかとした家族もののような作品に出てみたいですね。田舎で暮らす平凡な家族とか。平凡だけどキャラクター一人ひとりが面白くて人間味のあるような・・・。
野村 そんな作品を作るのってキャスティングしだいなところもありますよね。面白いキャストが集まると、平凡なストーリーでも、何か平凡じゃないことが起こる。それがキャスティングの楽しさでもあります。舞台とかは興味ありますか?
祐真 勉強にもなりますし、興味はあります。日本で昨年、劇作家つかこうへいさんの七回忌特別公演『引退屋リリー』に出演させていただきました。それが初舞台でした。つかさんの未発表作品で、しかもヒロインでの出演。これは挑戦しないことはないと思いました。
野村 ハリウッドの映画作品とはまったく違う日本の舞台となると、大きな挑戦だったと思うけど、やってよかったと思いますか?
祐真 そうですね、私が「アップス」やハリウッドで学んだ演技や経験してきた環境とは180度違うものだったのですごく新鮮だったし、戸惑うこともありました。
野村 舞台の上でスポットライトの光を浴びて、ポーズを決めてセリフを客席に向かって発する。そこには自分がアップスで学んだレペティションなんて一切持ち込まないし、レペティションなんて考えていたら成り立たないんですよね。役者仕事って、作品によって様々だけど、これだけは大事にしておきたいなと思うことってありますか?
祐真 あります。自分の体を物事に反応しやすい体にすること。ここといったタイミングに最高の状況で奏でられる楽器でいられる自分をつくること。それは舞台であれ、映画やドラマの現場であれ、自分で模索しながら最高の演技を完成させていくことだと思うんです。それと、忘れてはならないのがゴール。
野村 キキさんは、「人道支援」というゴールのために有名になる、っていう人生の目標がはっきりしているから、ステップを進んでいくスピードが早いですよね。目的に向かって突き進んでいる感じ。
祐真 目的のためであれば、何でも乗り越えられると思います。その目的を叶えるためなら、何でも挑戦してみたい。

取材協力:SHUHARI Matcha Café  https://shuharicafe.com/

シェア