<連載コラム>チーム支えるフロント(2)(Weekly LALALA 760号掲載)


LAドジャース インターナショナルパートナーシップ部マネジャー
佐藤 弥生 さん


チーム支えるフロント(2)


<連載コラム>チーム支えるフロント(2)
2016年1月、前田健太投手(中央)の記者会見にて通訳を務める佐藤さん(手前)
All photos © Jon SooHoo/Los Angeles Dodgers

 2007年にドジャース復帰を果たすと、最初の5年ほどはベースボールオペレーション部のアジア担当部で勤務した。アジアでのスカウト活動のコーディネーション、アジア選手の育成、マネジメントなどが担当職務だったが、ハローキティとのコラボ企画を成功させたり、ジャパンナイトをイベントとして確立させるなどの実績も残す。
その後、オーナーが変わったことから球団組織全体も大幅に変わった。佐藤さんはスポンサーシップに関する業務を請け負うコーポレートパートナーシップ部に異動に。そして現在は営業とサービスの両方を担当している。それ以外にも、アジア部時代から通して日本に関連する球団業務全般は、マーケティング、チケットセールス、コミュニティなど部署を問わず対応する。
 多くの職務を兼任する佐藤さんだが、その分やりがいは大きい。「多様な業務を兼務しているおかげで得られる数えきれないすばらしい出会いや幅広いネットワークが、仕事を超えた人生の財産となっています」。スポーツが人々に与える感動やインパクト、スポーツの持つ影響力は常に感じるという。厳しい勝負の世界であるプロスポーツは「チームが勝てばすべてが好転」する。ドジャースはこの数年間、地区優勝を続け、昨年は29年ぶりにワールドシリーズにも進出。フロントスタッフもほぼ全員がヒューストンに乗り込み3連戦を観戦。残念ながら最後の最後で一歩及ばなかったが、街全体が活気づいた。「おかげでさまざまな新しい出会いがあったり、途絶えていた縁が復活したり。もちろん精神的にも肉体的にも張り詰めた、色々な意味で濃密な数週間でした。選手と同じリーグ優勝のリングをもらえた時は、モノに執着のない私が初めて〝宝物〟と呼べるものができて、それもうれしかった」と思い起こす。
 試合数の多いMLBはレギュラーシーズン162試合(ホーム81試合)、プレーオフ進出を果たせばさらに最長で1カ月伸びる。キャンプも含めれば年間9カ月近くハイペースでフル活動が続く。営業はシーズンオフの方が忙しくなることもあり、「肉体的にも精神的にもチャレンジ」な仕事だ。チームの不調が続けば気分も低下。さらに顧客やファンからのフィードバックも厳しいものになってくると、その対応も楽ではないという。「やはり勝つことが第一ですが、勝ち負けだけはどれだけ努力してもフロントスタッフの力では何ともなりません。とにかくそれ以外のすべてが完ぺきに運営、遂行されるように全力を尽くすのが私たちの役割です」。フロントスタッフが縁の下の力持ちとしてチームの支えとなっていることは、紛れもない事実。その一員として、「これまでに培ってきた経験やネットワークを生かして、今後は少しずつ何らかの形で、スポーツというプラットフォームを利用して社会に貢献していく」ことが目標だ。

■Yayoi Sato
愛知県名古屋市出身。幼稚園から小学校6年までバトントワリング競技に打ち込み中部地区大会ジュニア優勝、全国大会では最高7位。縄跳びでは全校トップ、スポーツテストで1級取得など運動神経が良くスポーツ好きの少女だった。父の影響で野球好きになるが、名古屋在住でありながら気づけば巨人ファンに。米国交換留学をした高校生のころMLBと出会う。結婚を機に渡米後、LAドジャースに就職し、ベースボールオペレーション部のアジア担当部を経てインターナショナルパートナーシップ部マネジャー。

Weekly LALALA ホームに戻る

シェア