<連載コラム>「世界挑戦の土壌作りを」(1)(Weekly LALALA 755号掲載)


B-Global Agency Inc. 副社長
山内 一秀 さん


「世界挑戦の土壌作りを」(1)


岩隈久志(シアトルマリナーズ)、前田健太(LAドジャース)らのアリゾナでのスプリングトレーニングに同行した山内さん(右から2人目)。現在は主に日本人メジャーリーガーのマネジメントなどに携わる

 「正直なところ、初めから野球の仕事に就きたい、と思っていたわけではありませんでした」と話すのはB-Global Agency Inc.副社長の山内一秀さん。主に日本人メジャーリーガーのマネジメントやチームとの契約交渉代理、マーケティング・プロモーションなどを行う会社で多忙な日々を送る。子どものころは非常に活発で「毎日何かスポーツをしていて、家にはいなかった」といい、小学校6年生までは野球、その後はアイスホッケーとバスケットボールをプレーした。現在携わる仕事に納得がいくような子ども時代だったわけだが、大学卒業後に就職したのは金融機関だった。ちょうどそのころは、イチローや松坂大輔といった日本人選手が海外で活躍するようすが毎日テレビで流れはじめた時代。自分がプレーしていたことから「アイスホッケーでも日本のトップ選手がどんどん海外で活躍できる環境になればいいのに」などと漠然と考えていたという。海外では人気のアイスホッケーも日本ではまだまだマイナー。実業団チームの撤退が続いたこともあり、「まずはアメリカの巨大なスポーツビジネス業界を勉強し、いつか日本のスポーツ界で自分もできることやアイスホッケー界に貢献できることがあるかもしれない」と思い立った。
 日本の会社を退社すると、米国の大学院に留学。卒業が近くなり就職を考えたとき、「米国のメジャースポーツの中でも最も日本と関わりが深く、規模が群を抜いているのはベースボール。その世界に身を置くことは将来のキャリアにプラスになる」と考えた。これが山内さんがベースボール業界に携わるきっかけだった。まずはスポーツエージェンシーに就職し、米国で活躍する日本人メジャーリーガーや日本で活躍する海外の選手の契約交渉、マネジメントなどさまざまな経験を積み、2016年、同じ会社で働いていた先輩の独立のタイミングで、B-Global Agencyに参画した。日本人選手が米国に来るためには、多くの人間による尽力や時間を要し、簡単なことではない。そのプロセスの初期段階から携わった前田健太投手が、ようやくLAドジャースとの契約にこぎつけ、サンディエゴ・パドレス戦で初出場を果たした試合を、山内さんはスタジアムで観戦していた。投げては6回無失点、打っては本塁打まで放つという鮮烈なデビュー戦は「それまでの契約プロセスから関わらせていただいていたので、とても感慨深い瞬間であり記憶に鮮明に残っています」。 (8月10日号へ続く)

■Kaz Yamanouchi
B-Global Agency Inc.副社長。東京生まれ東京育ち、野球、バスケ、アイスホッケーを中心に毎日何かスポーツをする少年時代を送る。日本の大学を卒業すると金融機関に就職したが、米国のスポーツビジネスに興味を抱き、退社して渡米、大学院に留学。卒業後はスポーツエージェンシーに就職してマネジメントなどを現場で学び、2016年にB-Global Agency Inc.に参画した。現在は主に日本人メジャーリーガーのマネジメントや契約、マーケティング・プロモーションを手がける。

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