2018年 映画回顧 独立系低予算「カメ止め」が大ヒット 興行1位は「劇場版コード・ブルー」(Weekly LALALA 776号掲載)

 

2018年 映画回顧

独立系低予算「カメ止め」が大ヒット
興行1位は「劇場版コード・ブルー」

2018年 映画回顧  独立系低予算「カメ止め」が大ヒット
「カメラを止めるな!」
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督
興行1位は「劇場版コード・ブルー」
「劇場版コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―」

 2018年の日本映画界は、是枝裕和監督「万引き家族」のカンヌ国際映画祭での最高賞パルムドール受賞や、低予算のインディーズ映画「カメラを止めるな!」の予想外の大ヒットなど、明るい話題に彩られた。一方で、期待を掛けられながら不振に終わった作品も多く、ヒットの法則に変化が見え始めている。
 犯罪でつながった人々の姿を描いた「万引き家族」は、是枝監督が得意とする家族映画の集大成的な作品。日本人のパルムドール受賞は今村昌平監督の「うなぎ」以来21年ぶりで、受賞効果も相まって45億円の興行収入を記録した。
 「カメラを止めるな!」は上田慎一郎監督の初長編作品。6月の公開以来、「カメ止め」の略称も生まれて口コミで評判が広がった。上映館は300館を超え、興行収入は30億円を突破した。
 いずれも近年のヒットの定番だった「漫画原作」「テレビシリーズの劇場版」とは異質の作品だが、報道で連日取り上げられたり、SNSを通じて評判が拡散したりするなど、自然発生的な後押しでイベント的に人気が加速。パターン化された作品群に食傷気味の映画ファンに加え、話題の波に乗りたい一般客を引き込む相乗効果が生まれた。
 邦画・洋画を含めたナンバーワンヒット作は、人気ドラマを初映画化した「劇場版コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―」(92億円)。この他、アニメ「名探偵コナン ゼロの執行人」(91億円)、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(80億円)などの定番シリーズがベスト10入りした。
 会社別では例年通り、東宝の強さが目立ったが、同社の配給作品33本のうち16本が興行収入10億円を下回るなど、作品ごとの明暗が分かれた。「コード・ブルー」のようなドラマの映画版は変わらぬ強さを見せたが、人気小説や漫画の原作で苦戦を強いられた作品も多く、今後のラインアップにも影響しそうだ。


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