2人の恩師の元 拳に思いかける 星条旗に魅せられた夢追い人(Weekly LALALA 778号掲載)

2人の恩師の元 拳に思いかける  星条旗に魅せられた夢追い人
◀あこがれのLAを初めて訪れた2012年、この街と「恋に落ちた」というマルコ・デックマンさん。故郷ドイツを離れ、新旧恩師の元でボクシングの世界王者を目指す
Photo by Lucas Noonan


 自由の国アメリカでの成功を夢見る若者は、世界各国からやってくる。さまざまなジャンルでトップを目指し、アメリカン・ドリームを手に入れようという野心を抱き、この地へ足を踏み入れる。ドイツ出身のボクサー、マルコ・デックマンさんもその一人。昨年、プロデビューを果たし、世界王者を目指す。
「ロサンゼルスは〝約束された地〟。多くの人々が夢を見て、大きな目標を持ってやってくる」。その〝約束された地〟で、デックマンさんは1年ほど前からトレーニングに励んでいる。


▶数多くの世界王者を輩出しているハリウッドの名門ワイルド・カード・ボクシング・クラブで、名トレーナー、フレディ・ローチ氏(右)とコンビを組みトレーニングに励む
Photo by Lucas Noonan

 「LAには昔から、映画や音楽を通じて漠然とあこがれがあった。2012年、21歳の冬に初めて旅行で来て2カ月滞在して、この街と恋に落ちたんだ」
 6歳で空手を始めた。当時、小柄でおとなしく、太っていて自信もなかったデックマンさんを心配した祖母に道場へ連れていかれたことがきっかけだった。そして14歳のとき、当時すでにLAへ移住していたドイツ出身アルメニア人の空手師範と出会う。「先生は常に『LAに来ればそこは君たちのホームだ。私がいるから』と言ってくれていた」。この出会いが後にデックマンさんをLAへと導くことになる。
 その後、空手からキックボクシングに転向し、大きな成功を収めるとボクシングも開始。競技を並行してやっていたが、初めてのLA旅行から戻ると「一つのことで成功するためには一つに集中するべき。アマチュアキックボクシングでは大きな成功を手にしたけれど、ボクシングは世界的なスポーツだし五輪競技でもあるから」と考え、ボクシングだけに集中するようになり、2016年にはドイツ王者のタイトルを手にした。
 再びLAへやって来たのは2017年10月。空手、キックボクシングおよびボクシングで国際的に高い実績があったことから、米国のグリーンカードを取得した。「直近4年はボクシングだけに集中していたから」という理由で、LAでもボクシングだけをやろうと思った。向かったのはハリウッドの名門ジム、ワイルド・カード・ボクシング・クラブ。数々の世界王者を生み出している名トレーナー、フレディ・ローチ氏に会うためだった。
(779号へ続く)


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