2人の恩師の元 拳に思いかける 星条旗に魅せられた夢追い人(Weekly LALALA 779号掲載)

2人の恩師の元 拳に思いかける  星条旗に魅せられた夢追い人
LAでは新たな恩師フレディ・ローチ氏(右)に出会い、夢であり目標でもある世界王者を目指し、日々厳しい練習に臨む(Photo by Lucas Noonan)

 自由の国アメリカでの成功を夢見る若者は、世界各国からやってくる。さまざまなジャンルでトップを目指し、アメリカン・ドリームを手に入れようとこの地へ足を踏み入れる。ドイツ出身のボクサー、マルコ・デックマンさんもその一人。昨年、プロデビューを果たし、世界王者を目指している。プロへの道を歩む準備のため2017年10月にLAへ来ると、つてもないままハリウッドの名門ジム、ワイルド・カード・ボクシング・クラブへ向かった。数々の世界王者を生み出している名トレーナー、フレディ・ローチ氏に会うためだった。


▶昨年8月には地元ハリウッドで開催された興行でプロデビューを果たした(Photo by Lucas Noonan)

 「LAのどこかに彼がいるっていうのは知ってた。いろいろと準備するためにLAへ3週間来て、最初に〝ワイルド・カード・ウエスト〟に行ってフレディを探したけどいなくて、Googleで検索したら〝Wild Card〟っていうジムが2つあることに気づいて。それでハリウッドのほうのジムに行った」  ジムに入り、マネジャーと話をし、ドイツ代表ボクサーだと伝えた。何度か2階と階下を行き来するマネジャーからのいくつかの質問に丁ねいに答えた。そして、ジムの1階に呼ばれた。ドアが開き、中へ入るとそこに〝彼〟がいた。
 「リングの前に立っているのが見えたんだ。『フレディ・ローチだ!』ってすぐにわかった。テレビで見たことがある顔だった。その人がすぐそこに立っていた。そして『入っておいで。話をしよう』って言ってくれたんだ」
 翌週の水曜日にスパーリングをしないかと言われ、「人生一度きりのチャンスかもしれない」と思いすぐに話を受けた。時差ぼけと興奮の中で臨んだスパーリングはまるで本当の試合のように感じたという。木曜日、金曜日、土曜日、そして月曜日も練習に来た。
「そうしたらフレディが聞いてきたんだ。『まだトレーナーを探してるのか?』って。『はい』って答えたよ。彼はこう言った。『君はもうトレーナーを見つけたよ』って」
 昨年8月、〝地元〟ハリウッドで開催された興行で2回KO勝利でプロデビュー戦を飾った。同10月には2戦目を行い、2回KO勝ち。順調なスタートを切っている。
 「フレディと彼のすばらしいアシスタントたちとトレーニングができて、本当にうれしい。それに、マネジャーのマリーがいなかったらまだプロデビューもできていなかったかもしれない。ここには空手の恩師もいて、生活のサポートをしてくれている。以前LAへ来たとき、僕は単なる旅行者だった。でも今の僕は、ドイツに行ったら旅行者っていうことになる。うん、そういうことだよ」
 ここLAで新たなホームを見つけたデックマンさん。夢、そして目標を〝約束された地〟で追い続ける。


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