日系人の記録と日本の伝統学ぶ(Weekly LALALA 755号掲載)

 

日系人の記録と日本の伝統学ぶ


日系人の記録と日本の伝統学ぶ
展示会のセットアップが行われた夏休みの日、ヤマサキさんの教え子の少年たちも手伝いに精を出した

NIKKEI SAMURAI
at Nisei Week
■展示: 7月24日(火)~8月26日(日)
火・水・金・日 11am-6pm
木 12pm-8pm、土 10am、月曜休
■特別イベント
(質疑応答&鎧フィッティング体験):
8月11日(日)、18日(日)
■場所: Gor For Broke Education Center
355 E 1st St. Los Angeles CA 90012
310-328-0907
www.goforbroke.org

記念館内には当時のプロパガンダに使用された資料なども展示されている
多くの写真や展示品によって、日系人のために身を捧げた日系アメリカ人志願兵の若者たちの活躍について学ぶことができる
『Nikkei Samurai』と題したイベントでは、日本刀や元MIS語学要員の方による寄贈品などの展示を通して日本と日系人の絆や文化を伝える
ヤマサキさん(左)は刀の扱い方や鎧兜の着方などを通して和の精神、知識、文化やそれらにまつわる歴史などを米国の若い世代に教える活動をしている


LAダウンタウンの『Go For Broke Education Center』


 「Go For Broke(あたって砕けろ)」。第二次世界大戦において、米軍に従軍した日系人で編成された、第442部隊のモットーとして知られることばだ。同名の小さな記念館が、LAのダウンタウン・リトルトーキョーの日系人博物館向かいにひっそり存在する。戦時中、日本軍の真珠湾攻撃をきっかけに約12万の日系人および日本人が強制収容所に送られ、日系二世の若者たちは忠誠を示すため、志願兵として米国政府に嘆願した。
 1989年に設立された『ゴー・フォー・ブローク全米教育センター』が運営するこの記念館は、日系人のために身を捧げた第100大隊や第442部隊およびMIS(米国陸軍情報局)に所属した日系アメリカ人志願兵の活躍をたたえると同時に、彼らの戦争体験を遺産として記録し、その精神を後世に伝えていくことを目的として建てられた。ここでは数多くの写真やメディアのプロパガンダ資料、記録の展示があり、さらに教育者の研修スペースも設けられている。収容所に入れられた家族を守るため、そしてアメリカという国家のために最前線で戦った日系二世兵について詳しく知ることができる施設だが、年間を通して訪れる人は少ないという。
 この教育センターで、7月24日から8月26日まで特別展示が行われる。『Nikkei Samurai』と題したこのイベントは、刀の目利き師である日系三世マイク・ヤマサキさんが日本刀や元MIS語学要員の方による寄贈品などの展示を通して日本と日系人の絆や文化を伝えるもので、毎年恒例となっているリトルトーキョーでの日系人による『二世ウィーク・ジャパニーズ・フェスティバル』の一環として開催。日本刀および古美術品を取り扱う『鉄元堂』を営むヤマサキさんは、今日では忘れられつつある日本の伝統を廃れさせたくないとの思いから、刀の扱い方や鎧兜の着方などを通して和の精神、知識、文化やそれらにまつわる歴史などを米国の若い世代に教える活動をしている。特別展示の準備を朝から行った日も、夏休みということもありヤマサキさんが教える少年たちがセッティングの手伝いに精を出した。
 日系米国人の記録を、そして日系人のルーツである日本の伝統をともに後世に残すための活動が融合したこのイベントは、昨年、トータルで5千人以上が訪れた。夏休み中の終戦記念日に、子どもたちが過去について学び、未来への教訓として、忘れてはいけないこと、伝えていかなければならないことをあらためて見直すきっかけになればと願う。


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