原点に立ち戻った第5作 映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS(Weekly LALALA 775号掲載)

原点に立ち戻った第5作
映画 妖怪ウォッチ
FOREVER FRIENDS


  「映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS」は大人気アニメーションの映画シリーズ第5作で5周年記念作品。製作総指揮と原案・脚本を前作に続いて日野晃博が務め、単独では初となる高橋滋春が監督した。
 シリーズは第2作で五つのエピソードから成るオムニバス、第3作では実写とアニメを混在させたハイブリッド映画、第4作ではキャラクターを一新させるなど、常に新たなチャレンジをしてきた。今回は長編アニメの原点に立ち戻り、子どもから大人まで楽しめる冒険活劇に仕上げている。
 1960年代の東京。妖怪に取りつかれて母親を亡くした少年シンは、同じく妖怪によって姉を失ったイツキと知り合い、妖怪を見ることができる少女タエを仲間に引き入れて、家族の魂を取り戻すために妖魔界へと旅立っていく。
 シンたち3人の友情を軸に、圧倒的な力によって妖魔界を牛耳ろうともくろむ妖怪・紫炎(しえん)の野望と、それを食い止めようとする者たちの闘いが描かれる。時代設定を60年代にしたことで、作品全体からノスタルジックな雰囲気が醸し出される。妖怪もかわいい猫又、真面目な会社員風の河童(かっぱ)、ナルシシスト風の座敷童子など、古来伝承されてきたクラシックな妖怪をアレンジ。その懐かしくもシンプルな世界観は、幅広い世代に訴え掛ける魅力がある。
 ゲスト声優として紫炎役を小栗旬、シンとイツキの敵である玉藻前(たまものまえ)役をブルゾンちえみが担当。特に心情が幾重にも変化していく紫炎を演じた小栗は、ドラマを声の演技で見事に盛り上げている。
 人間界から妖魔界へ電車で向かうところは「DESTINY 鎌倉ものがたり」、妖魔界で開催される“武闘会”が「ドラゴンボール」風と、過去の作品にインスパイアされた場面も見られるが、最後は感動へとたどり着くストーリー展開は見応え十分。冬休みのファミリーピクチャーとして、お薦めしたい1本だ。


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