俳優転身の夢追い渡米(Weekly LALALA 796号掲載)

ロサンゼルスで暮らす人々-vol.796

俳優転身の夢追い渡米
ケイ・フィリペック / Kei Filipek

ロサンゼルスで暮らす人々 モデル

俳優転身の夢追い渡米
モデルとして活動するかたわら、カレッジで演技の勉強をしながら俳優を目指すケイ・フィリペックさん。2018年7月に夢を追うため単身渡米した。公式Instagramは@keifilipek

 日本とオーストラリアのルーツを持つケイ・フィリペックさんは、そのアドバンテージを生かしモデルとして活動する。しかし、2018年にロサンゼルスへやってきた目的は俳優転身。現在は活動のかたわら、カレッジで演技を勉強しながら夢実現を目指している。「小学生のころからファンタジーの世界にあこがれて、現実ではないほかの世界で生きる経験をしたいと思っていた」と、俳優を志す理由を語る。
 京都生まれ京都育ち。オーストラリア人の父とは英語で話し、日豪を行ったり来たりの生活を送っていたフィリペックさんが「現実ではない世界で生きたい」と思うようになったことにはわけがあった。「小学校のとき、ハーフであることからいじめられました。別の世界に入り込みたいと思い、本や映画に救われたんです」。はじめは現実逃避から入り込んだスクリーンの世界。しかし、ある日あこがれのファンタジーワールドを作り出す俳優という職業は、別の世界で生きることを実現できる手段だと気づいた。
 シャーロック・ホームズが好きで、英BBCのドラマ『シャーロック』を見たときにはベネディクト・カンバーバッチ演ずるホームズが「思い描いていたホームズそのまま」だったことに衝撃を受けた。「俳優たちに救われて、いろいろな世界観に生きることに惚れました。カンバーバッチはスマートな役が多く、奇才で頭のいい演技をしながらもヒューマンドラマを見せる。彼のように人の心を動かす俳優になりたい」。その思いは日に日に強くなり、あこがれは夢へと変わっていった。
 元来、人前に出るのが好きな性格。小学校6年で始めたドラムはLAへ来るまで続け、「パフォーマンスが終わったときの解放感、スリルが好き」と話すようにオーディエンスの前での演奏を楽しんでいた。モデル活動も「やっていて楽しい。人に撮られるのは好き。カメラの前で演技をするという面では俳優と同じ。いい経験になるし相互作用がある」と、俳優を目指すためのベースになっている。
 ハリウッドに来て、「自分が行動しないと何もできないと思った。どれだけ這い上がっていけるかは自分次第。立ち向かって壁を乗り越えてやる」と、より現実的に夢に向かうようになった。「別の人物になるということは、簡単そうで難しい。役柄や背景について勉強しないといけないし、自分の中でキャラを確立させなければならない。自分の武器は英語。豪米日のアクセントを生かして、どの国の役でもできるようになりたい」と話す。かつてはつらい経験となった〝ハーフ〟というバックグラウンドを武器に変え、夢に挑んでいる。

「モデルと俳優は相互作用があるし、カメラの前で演技をするという面では同じ」と語る。目標はベネディクト・カンバーバッチのような演技派俳優になることだ
子供のころはいじめられる原因となった“ハーフ”という自身のルーツも、今ではその語学力を俳優として戦っていくための武器と考える


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