シーズン到来。 ド肝を抜くスケールの 「パゴサ温泉」(コロラド州)(Weekly LALALA 720号掲載)

●パゴサ温泉(The Springs Resort & Spa)には、源泉掛け流しの露天風呂が23も! 硫黄から成る巨大な湯の花が圧巻だ。車利用でデンバーから4時間、サンタフェから2.5時間、アルバカーキから3.5時間。

シーズン到来。

ド肝を抜くスケールの 「パゴサ温泉」(コロラド州)

著者: 柳田由紀子 1963年東京生れ。早大卒後、新潮社入社。98年スタンフォード大他に学ぶ。01年渡米、LA在住。著書に、『二世兵士激戦の記録』(新潮新書)、『アメリカン・スーパー・ダイエット』(文藝春秋)、訳書に『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』(集英社Int’l)他。趣味=大相撲、温泉、料理、都はるみ。ブログ=www.yukikoyanagida.com
●可愛いピンクの建物が温泉の受付。フェイシャル、マッサージ各種あり。
●ターコイズブルーの源泉池。ホテルの地下に、半径約14メートルの源泉が横たわる。

 まずはトップの写真をご覧いただきたい。モクモクと立ち上る湯煙や露天風呂のまわりに山となっているのは、なんと湯の花! 今年もめでたく温泉シーズン到来ということで、満を持して紹介するのは、ド肝を抜くスケールの「パゴサ温泉」だ(コロラド州)。以下、その凄さを項目別に説明したい。

【凄い!①泉質】  湯の花の正体は硫黄の塊。パゴサの泉質は「ナトリウムー硫酸塩泉」だが、中でも1kg中の硫酸イオンが1400mgと弩級に多い。これは、山形の名湯、蔵王温泉に匹敵する量である。硫酸塩泉は、硫黄泉のガスが抜けるなどしてできるため、硫黄の塊がこんなに大きくなっちゃったってわけ。
 なお、「ナトリウムー硫酸塩泉」の適応症は、外傷や動脈硬化症、皮膚病など。
【凄い!②湯量】  湧出量は1日およそ3800kl。贅沢なことに、これを一軒の宿がほぼ独占している。だから浴槽に注がれるのは、加水、加温なしのいわゆる〝源泉掛け流し〟。米国では、衛生目的で塩素を入れてしまう温泉地も多いが、ここではそれもなく、ボコボコ、ドボドボと惜しげもなく湧き出るピュアな源泉を堪能できる。
 ところで、パゴサの源泉池(写真右下)は、美しい青色(62℃)。それがお風呂に配されると、空気に触れる量や時間により、白濁したり、翠がかったりと刻々変化する様もまた美しい。
【凄い!③露天風呂の数】  パゴサ温泉は、サンファン川を見下ろす地にある。川に沿った露天風呂の数は、実に23! それらの湯温は、浴槽により28℃〜45・5℃と、熱い湯が好きな日本人でも充分満足できる。
 さらに素晴らしいのが、宿泊すれば〝24時間〟いつでも入浴できること。なんせお風呂が23もあるから(露天のみ屋内温泉なし)、順繰りに掃除していくことで、他の22は使用可というシステムなのだ。

●サンファン川を臨む露天風呂。パゴサは、世界でもっとも深い地底から湧き出る温泉として、ギネスブックにも掲載されている。

私は4泊したのだけれど、ある時は、夜中にゴージャスな焚き火の横で、ある時は、夕暮れ時の太陽と月が同時に出ている空の下、またある時は、日の出前に、次第に星が消え、空が橙色に染まる様を眺めながら露天風呂をハシゴした。
  パゴサから帰宅して数日後。ふと足すねを見て驚いた。ずっと悩まされていた湿疹がすっかり消えていたのだ。パゴサとはネイティヴ・アメリカン語で「癒しの泉」の意。癒し力も、これまた凄いパゴサ温泉なのだった。

The Springs Resort & Spa:165 Hot Springs Blvd. Pagosa Springs, CO 81147 Tel. 800-225-0934 料金:ツインルーム$199.00~。日帰り温泉$26.00~。要水着www.pagosahotsprings.com

*温泉分析協力/温泉ソムリエ協会、遠間和広

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