ショービジネスに生きる ハリウッド・ネイティブ(Weekly LALALA 768号掲載)

ショービジネスに生きる ハリウッド・ネイティブ
4代続くエンターテイナー家族、ハリウッド生まれハリウッド育ちのジェイソン・マルティネス。血筋に加えて努力でキャリアを積み上げてきた (Photo by Sarita Colon)
ミュージカル『On Your Feet!』では主人公グロリアの父ホセを好演
(©2018 On Your Feet! National Tour Production)

 華やかなステージの上に立つことを夢見る人は多い。しかしそれを実現し続けていくことは高きハードルである。才能、そしてチャンスをつかみ取る運の強さ、どちらも必要となる。歌う。踊る。演じる。舞台に立つ道はさまざまだが、この3つの要素すべてが求められるのがミュージカル。そのミュージカル界で活躍するハリウッド・ネイティブがいる。『On Your Feet!』北米ツアーへの1年にわたる出演を終えたばかりのジェイソン・マルティネスだ。ハリウッドで活躍するアーティストは多いが、生まれも育ちもハリウッドという生粋のハリウッド・ネイティブは意外に多くない。

 「僕の家族は4代続くエンターテイナーファミリーなんだ。だから子どものころから常にスポットライトの下に立つよう求められてきたよ。父はシンガーソングライター、母はダンサーであり歌手であり、女優でもあった。当然、エンターテイメントは僕の人生の大部分を占めていた。ショービジネスから抜け出そうとして、工場で9時から5時まで働いて時計に部品を打ち込んでいたこともあったけど、そんな期間はすぐに終わりになった。ある日、兄が電話してきて、僕にテーマパークのオーディションを受けさせたんだ。それに受かって、あとは知ってのとおり。今年でこの世界に入って20年だよ!」

 一度はショービジネスから離れようとしながら、舞い戻ってきたというのは、才能と運という2つの必須要素を兼ね備えていたからだろう。テーマパークのキャスト、アンダースタディなどの下積み時代を経て、1998年に『ザ・ケープマン』でブロードウェイデビューを果たしている。フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズのメンバーとしても活躍。再びこの世界に身を置いて20年、アーティストでいることとはどういうことなのか。

 「アーティストであるっていうことは、自分を通して他の人に他の人生を生きさせることだと思う。そして日々のことを忘れさせるんだ。つまり、オーディエンスが劇場を出るときに彼らの世界が少し良いものになっているようインスパイアするってことかな」。
 ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』ラスベガスプロダクションでニック・マッシを演じた後は、『ミリオン・ダラー・カルテット』に出演。再びフランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズでの活動を経て、昨年10月から1年間にわたり『On Your Feet!』で主役グロリアの父ホセを演じ、好評を得た。順調にキャリアを積んでいるが、ハリウッド出身ということがショービジネスで生きる上でアドバンテージになることはあるのだろうか。

 「この世界に入るためにはハードワークが必要だし、アドバンテージだとは思っていないよ。まあ、このビジネスの中心点にいることは間違いないけど、僕にとってはここはホームだというだけ」。 (11月9日号へ続く)


Weekly LALALA ホームに戻る