ららら隊がゆく! イケメンと美の融合「侘び」「寂び」描くアーティスト マイケル・カリーニ(Weekly LALALA 746号掲載)

ららら隊がゆく!|イケメンと美の融合 「侘び」「寂び」描くアーティスト マイケル・カリーニ
イケメンと美の融合「侘び」「寂び」描くアーティスト

●自らの鍛え上げられた肉体に施すペイントも作品の一つ。7月24日までパサデナの映画館ArcLightにマイケル・カリーニの作品が1点展示されており、サンディエゴのダウンタウンにあるSparks Galleryでは作品シリーズBeautifulAccidentsの展示会が現在行われている。今後はラホヤのLaPlaya Galleryでの展示およびKAABOO Del MarとArt San Diegoを含むサンディエゴ・アート・フェスティバルへの参加が決定している。(Photo by Christa Maier and Balm In Gilead)

 「侘び」「寂び」「渋い」。日本の芸術や文化持つ特有の美学だ。不完全なもの、はかないものや簡素なもの、奥ゆかしいものなどが秘める美について述べることばだが、決定的な“定義”というものはない。そのぼんやりとした存在が日本らしいともいえる。世界でもこの概念に魅了され、作品にそのコンセプトを取り入れる芸術家は多い。サンディエゴ出身の若手アーティスト、マイケル・カリーニもその一人。アクリル絵の具で描く流れるような画風が特徴の自身のアートを、カリーニは「Acrylic Alchemy(アクリル錬金術)」と呼び「この世にとって何か美しくポジティブなものを創造するため、自分の痛みや葛藤を犠牲と同等なものとして引き換えるもの」と説明する。カレッジ在学中、お気に入りのアニメ「鋼の錬金術師」を見ていてストーリーとコンセプトの哲学や深さを非常に美しいと思い、それが方向性を形作るきっかけになったという。また、カリーニの作品シリーズの一つ「Beautiful Accidents」は、まさに日本の「侘び、寂び、渋い」をベースに生まれたもの。学生時代、世界のアートについて学ぶ機会が多々あり、スクロールペインティング、カリグラフィー、漢字、祭壇画などアジアのアートに非常に惹かれた。パレット、フロアやテーブルのキャンバスのシンプルで意図的ではない美しさに気づき、多くの時間を費やしてたどりついたシリーズだ。
「僕は僕のアート作品であり、僕自身こそが僕の最高の創造物だ」。そう語るように、ボディペイントもカリーニらしさを代表するアート。鍛え上げられたイケメンの肉体と美しいペイントの融合はまさしくこの世の最高傑作といえる。

●カリーニはペイントだけではなく、心を動かすようなフレーズも多くシェアする。

「ボディペイントは僕というパズルのピースをシェアするため。いくつかは不完全なパズルなんだ。でもいつかだれかがすべてのピースをつかんで完成させてくれる」と語る。「あるとき、他の人たちも自分と同じように悩んだりしていることに気づいたんだ。それからそれを共有し始めた」というカリーニが共有するのは、ペイントだけではない。印象的なことばやフレーズも彼のアートの一部。「僕は、自分のストーリーをシェアし自分の道を見つけようとしている語り手なんだ。世の中のために、良いことや悪いことを見つめられるようアウトプットする。それによって他の人たちにもろくてもいいんだということを示すことになる。それこそが僕が彼らを助ける方法」。自身の経験を表現し、共有し、メッセージを伝える。もろくてもいいんだよ、傷つきやすくてもいいんだよ。そんなメッセージを発信することで人々を助けたい。そんな思いが込められているカリーニの作品の一つが、現在パサデナの映画館Arclightに7月24日まで展示されている。

●「侘び」「寂び」「渋い」のコンセプトをベースにしたシリーズ「Beautiful Accidents」。
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