“Santa Fe”が胸を打つ 親子で楽しめるディズニーのミュージカル「ニュージーズ」(Weekly LALALA 747号掲載)

ららら隊がゆく!|“Santa Fe”が胸を打つ 親子で楽しめるディズニーのミュージカル「ニュージーズ」

●ディズニーによるミュージカル“Newsies”。少年たちの若くエネルギッシュな歌声とアクロバティックなダンスから目が離せない。

 舞台は1899年、ニューヨーク。新聞売りの少年たち「ニュージーズ」はその多くが孤児や家出少年だ。毎朝、少ない有り金で新聞を買い取ると街なかでヘッドラインを叫びながら販売し、卸値とのわずかな差額を得て日々の生計を立てている。リーダー格のジャック・ケリーも、親友クラッチ―にサンタフェへ行く夢を語りながら、新聞を売る日々を過ごしていた。ある日、大手新聞社のピューリツァー社が販売価格は変えずに卸値を上げたため、少年たちの生活は困窮することになる。ニュージーズはこれに対抗し、団結して立ち向かうことを決意。ストライキを敢行し、少年たちの戦いが始まる。
 無力な少年たちが一つになって権力者に立ち向かうこのストーリーは、実際に1899年に起こった新聞配達の少年たちのストライキ事件をベースに、ディズニーによって1992年に映画化された。映画はヒットしなかったようだが、テレビ放映を経て徐々に人気を得ると2011年にミュージカル化。翌2012年からはブロードウェイでも上演され、同年のトニー賞では振付賞とオリジナル楽曲賞を受賞した。
 ディズニーのミュージカル映画といえばこの人というアラン・メンケン(“美女と野獣”、“リトル・マーメインド”、“アラジン”、“塔の上のラプンツェル”)が担当する音楽がすばらしい。その他のディズニーミュージカルとは違い、セットはいたってシンプルで派手さはない。しかし、それを補って余りある少年たちのエネルギッシュで若さあふれる歌声、そしてステージをフルに使ったアクロバティックな振付のダンスは観客の目を釘付けにする。ジャックがあこがれる地と同名の曲「サンタフェ」は、劇中で何度か歌われる。ときに夢を語り、ときに悔しさとやるせなさ、切なさに満ちあふれた激しい感情をぶつけるように、アレックス・プラッケン演じるジャックが表現力豊かに歌い上げる。胸の奥が熱くなり、ジャックに、ニュージーズに思わず感情移入する瞬間だ。

●物語は実際に1899年に起こった新聞配達の少年たちのストライキ事件がベースになっている。(写真は公式プログラムより)
●北米ナショナルツアーで主人公ジャックを演じるアレックス・プラッケンの表現力豊かな歌声には魅了される。

 ニュージーズたちは、豊かな現代の子どもには考えられないような辛苦を経験しながらもたくましく生きる。自分の権利のために、夢をかなえるために戦う。戦って勝ち取ることの意味や、夢や希望を捨てずに生きることを教えてくれる、ディズニーらしいストーリーだ。個人的にはイタリア版のニュージーズでジャックを演じたフラビオ・ジスモンディがイチオシだが、今回観劇した北米ナショナルツアーのプラッケンも歌の表現力が見事で惹き込まれる。夏休みの親子での観劇におすすめしたい。

http://lamiradatheatre.com/

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