「作品の魅力を最大限に引き出す音楽」(Weekly LALALA 725号掲載)

「作品の魅力を最大限に引き出す音楽」
端山 奏子|Kanako Hashiyama

ロサンゼルスで暮らす人々   作曲家/ピアニスト

ロサンゼルスを拠点に日米で作曲家・ピアニストとして活動する端山奏子さん。昨秋より日本で2.5次元ミュージカル「2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージ」(通称ツキステ)の劇中で流れる音楽を担当。
端山奏子オフィシャルウェブサイトwww.kanakohashiyama.com kanacco85@gmail.com

 エンターテイメント業界の最高峰ロサンゼルスといえども、至る所に映画や音楽関連の仕事やチャンスが転がっているというわけではないが、音楽大学を卒業して活動開始1年目にして日本とアメリカで音楽プロジェクトに携わり、作品作りに没頭しているのがLA在住の作曲家/ピアニスト、端山奏子さん。自身にとって昨年は新たな挑戦のたくさんあった充実した年だったようだ。
 日本で昨秋より端山さんが作曲を手掛けることになったのが、話題作の2・5次元ミュージカル作品「2・5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージ」(通称ツキステ)の劇中で流れる楽曲。2次元と3次元の中間ともいえる2・5次元ミュージカルは日本のマンガやアニメなど、2次元(平面)で描かれた作品を舞台作品として3次元に立体化したミュージカルだ。「日本ではここ15年ほど親しまれている2・5次元ミュージカルですが、私にとって携わるのは初めてです。作曲は拠点にしているLAで行い、レコーディングは日本で行います。この作品は12月半ばに第五幕の公演を終えたばかり。シリーズ化され今後も続く作品なので、私自身ずっとこのプロジェクトに参加できるように頑張りたいと思っています」
 4歳からピアノを始め、7歳で作曲をスタートし、物心ついたころから音楽と共に育った。桐朋学園大学作曲専攻を卒業後は、奨学金を得てボストンのバークリー音楽大学で学ぶため渡米した。「日本ではクラシックにどっぷりと浸かり古典的な音楽を通して、思想やクリエイティビティを表現することが多かったのですが、私自身はもともと自分が作った曲や演奏するピアノによって映像や舞台、人が歌う歌をもっとひきたたせること、作品の魅力を最高に引き出すことを考えながら音楽を作るのが好きでした。そのためにバークリー音楽大学・映画音楽作曲科で学びました」
 そんな中で、端山さんに大きな影響を与えたのが在学中に参加した「バークリー・サイレント・フィルム・グループ」での活動だった。無声映画「Variete」では作曲と指揮を担当し、小編成のオーケストラのための曲を書いた。サイレントフィルムを通じた作曲活動は大学卒業後も続けており、今年はウーマンフィルム・パイオニア・プロジェクト主宰により全米各地で公開が予定されている。無声映画という声の無い映像の世界で、端山さんの音楽が静寂に寄り添いながら、どのようにオーディエンスの視覚と聴覚に映し出されていくのだろうか・・・。
 そんな彼女に、2018年はどんな年にしたいか聞いてみた。「このロサンゼルスは、映画・音楽でたくさんの可能性のある場所。自分が好きだといえる映画作品にかかわることができたらいいなと思いますし、お金や名声に関係なく作曲家・ピアニストとしてパッションのおもむくままに作品作りをしていきたいですね」。

 

サンフランシスコでのサイレントフィルムフェスティバルで上演中の様子。指揮を担当しているのが端山さん。
作曲家として活動するほか、小〜高校生のミュージカルの音楽監督兼ピアニストを担当するなど幅広く活躍。

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