「ステージから始まる アメリカンドリーム」(Weekly LALALA 714号掲載)

「ステージから始まる アメリカンドリーム」
江下 佳奈実|Kanami Eshita

ロサンゼルスで暮らす人々   女優

ロサンゼルスを拠点にミュージカルを中心に女優として活動する江下佳奈実さん。写真は、9月にダウニーシアターで上演されたミュージカル『Son of Man』でのワンシーン。11/4(土)~11/19(日)には、サンフランシスコのFirehouse Arts Centerにて上演されるミュージカル『42nd Street』に出演する。 www.firehousearts.org/events/42nd-street/

 『シカゴ』『オペラ座の怪人』『マンマ・ミーア!』など数多くのミュージカルの名作が生み出されたアメリカ。その本場アメリカのミュージカルに挑戦するべく、ロサンゼルスを拠点に女優として本格始動した江下佳奈実さん。9月にはダウニーシアターで上演されたミュージカル『Sonof Man』に出演し、また11月にサンフランシスコでの上演が決定した『42ndStreet』のリハーサルが始まったばかりだ。「イエス・キリストにまつわるお話を韓国をベースに作られた作品『Son ofMan』では、脚本を読んでストーリーを理解するところからスタート。韓国文化や歴史をリサーチし、韓国の伝統の踊りを猛練習したりと、異文化に触れられるやりがいのある作品となりました」。次回の出演作42nd Streetではタップダンスシーンが多く、バレエやタップダンスのトレーニングを再開したばかりだという。
 子どもの頃からアメリカのミュージカルや映画をたくさん観て育った江下さん。「子どもの頃は、なぜか『ダンスを習いたい』と積極的に親には言えない性格でした。それが7年前に語学留学のため渡米して、バレエのクラスを取り始めたら楽しくて夢中に。これこそが自分が進む道だと思ったんです」
 ニューヨークでダンススクールやアクティングスクールに通ったが、日本人が多い環境ということもあり、シカゴに移りColumbia College Chicagoに入学。在学中には学校のミュージカルやバーレスク、小さなシアターのショーまで様々な作品に出演。「ダンスやアクティングについては、周りの役者志望の人たちより遅いスタートでしたし、英語が母国語ではない自分はみんなに追いつこうと必死でした。ミュージカルを専攻するため、20校以上の大学のオーディションを受けても、2校しか受からない競争の激しい世界でした」。さらにNYと違い、シカゴの大学は日本人はほとんどいない環境。クラスではものすごい緊張の中、一人で舞台シーンをみんなの前で演じたり、歌を歌うなど、シビアな環境に身を置くことで自身の可能性を切り拓いていった。
 「緊張感、客席との臨場感などミュージカルには様々な魅力がありますが、一番の醍醐味は、お客さんがシーンに見入っている時や、お客さんと感情が一体化した瞬間、そしてクライマックスからフィナーレへ向かい、皆の感情が最高潮に達する瞬間まで、そのすべてを体全体で感じることができること。それが舞台に立つことの素晴らしさだと思います」
 今年初めにシカゴからLAに移ってきたばかり。フィルムからテレビ、ミュージカルとエンターテイメントの最高峰ハリウッドで、自分の可能性をさらに広げていきたいと話す江下さん。「まずは11月に上演の『42nd Street』で、新たなミュージカル作品に挑戦できることがすごく楽しみです」。

2016年にシカゴで出演したクリスマスバーレスクショーにて。シアター前には長蛇の列ができるなど大盛況となった。(右端が江下さん)www.kanamieshita.com
ミュージカルでの目標は『ミス・サイゴン』で演じることだと話す。「ミュージカルでは、作品のストーリーを把握して、自分がどの役に合っているかを見つけ出し、歌やセリフを十分に叩き込んでオーディションに臨みます」

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